黄金羊の観劇記

観劇・映画・読書の感想を好き勝手に書いてます。東宝・宝塚・劇団四季中心、海外ミュージカル(墺英米)贔屓、歴史好き。

「プロデューサーズ」感想

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<2020/11/18(水) 昼公演>

 

Twitterのフォロワーさんが観劇して発狂していたので、プロデューサーズ見て来ました!

 

演出に福田雄一の自我を感じない!!!

どこにいるの福田雄一!!?ってくらい存在感がない、すごい!!!

福田演出だからと避けてる人にはたぶん大丈夫な演目ですこれ!!

 

とりあえず二幕の吉野圭吾が優勝

優勝 吉野圭吾
MVP   佐藤二朗
屋台骨 井上芳雄
華 木村達成&木下晴香

という印象。

見た目の美しさのインパクトが一番強烈だったのはウーラよりむしろカルメンでした…すごいよ木村達成…お顔も美しいけどスタイルが抜群で、最初に舞台に出てきた時は目が釘付けになってしまったよ…服装も現実的で、シンプルだけど綺麗で好きな路線。真似したい。(スタイルが違いすぎるので全然違う代物になってしまうが)

 

アンサンブルさん達のパフォーマンスもレベルが高く、幕が上がって最初にアンサンブルが歌い踊る場面で涙ぐんでしまいました。ミュージカルを生で見るのが1月のフランケンシュタイン以来10ヶ月ぶりで、「これぞミュージカル!!」という場面に感極まってしまった。

 

オネエの使い方と、二幕の「終わったらすごい男に〜」のくだりは気になったけど、全体的にはそこまでテーマや価値観に引っかかることなく見られたし、全然虚無じゃありませんでした。
劇中劇の題材が題材(ヒトラー)で鉤十字もバンバン出るので、それがダメな人にはダメですが、映画の「帰ってきたヒトラー」が大丈夫だった人には大丈夫なラインかと思います。ヒトラーと各国首脳のタップダンスバトルが楽しかったな!

 

キャスティングでは、井上芳雄マックスは流石の安定感と手堅さを感じた。
レオの大野君も過不足なく良いんだけど、ん〜〜これ別のキャストだったらマックスとレオのバディものとして個人的にもっとツボにハマった気がするな!!?

作中一番推されてた関係がマックスとレオの友情じゃないすか!!
てかウーラが空っぽのお人形さんキャラである以上、掘り下げて観客を魅せるところはむしろそこしかない訳で!!そこの関係の熱さ深さが個人的に物足りなかったのが残念。もっとクソデカい感情の爆発を見たかった!!

でも井上芳雄井上芳雄力で舞台全体の雰囲気が謎に上品で、それが最後まで一貫して崩れなかったと言うのはウーラの本来の役割を考えると大きかったと思います。

ウーラはお色気要員のはずなのにいやらしさをほぼ感じず、「動きがしなやかでいいな」とか「歌上手だな」とか、芸術的評価に完全に意識がいってたので。

 

 

プロデューサーズ、パロディ要素も多くそもそも楽屋裏うちわ受けむきのネタだし、映画版を見たところ深い内容も無いし、最初は見送ろうと思っていました。

でも実際行ってみると、頭を空っぽにして見られて、豪華で華やかで明るくて適度に楽しめました。行って良かったです!!

とにかく舞台セットが豪華!!電飾をふんだんに使っていて高さもあり、装置を見ているだけで気分が盛り上がり楽しくなっちゃいました!!すごい!!

劇場が音響の酷さに定評があるオーブなので案の定半分くらい何言ってるのかわかりませんでしたが、最初から耳の楽しみは諦めていたので問題なし!!目がとっても楽しかったので期待通り!!!

 

終わった時には思わずスタンディングオベーションしたし、周りも総立ちでした。

いやこの状況下でこんなクオリティのミュージカル見せてもらえたらそれだけでスタンディングオベーションするよ!!全力で歌って踊ってパフォーマンス見せてもらえて幸せでした!!

劇場の外は相変わらずコロナが猛威を振るう不安で恐ろしい世の中で、けれど今自分はそこから遮断され、大好きな「劇場」という空間にくるまれ、全てを忘れて豪華で楽しい夢と魔法の世界に浸れている。その幸せを噛み締めました。ありがとうございました…!!!