黄金羊の観劇記

観劇・映画・読書の感想を好き勝手に書いてます。東宝・宝塚・劇団四季中心、海外ミュージカル(墺英米)贔屓、歴史好き。

「アナと雪の女王2」2回目感想

金曜ロードショーで放送されたので、2回目見ましたアナ雪2。

お話を知っているから冷静に見られたし、2回目の方が1回目より楽しめました。

結末もようやく受け入れられ…いや…うーん…
話に色々な分岐があるとしたら平行宇宙の一つにああいう結末を迎える世界も確かにあるだろうな、と思えば納得も出来たけど、同じことを初回視聴時の感想でも言ってました。

 

今回、アナ雪2がどういう話だったら自分は納得できたのか考えてみました。

エルサの魔法については、1の時点で何の理由もなく付与されていたことが物語としては新鮮で好感を持っていました。現実世界での色々な才能も理由なんてなく天から与えられてなので。

なので、2のメインストーリーがエルサの魔力の理由づけ=過去話だったのが自分にはまず期待外れだったっぽい。

姉妹の両親やましてや祖父まで遡って昔話をしたり、先住民の人達とか新キャラを出すより、前作からの未来をもっと描いて欲しかった。アナ雪2は2とうたっておきながら内容の半分はエピソード0感があるというか…エルサアナオラフクリストフハンスが好きなのでその出番をもっと増やしてほしかった気持ち。

エルサの葛藤が1と2で二重になっていたのは初見の時ももやっとしたけど、やっぱりエルサの悩みを前進させてもっと成長させて欲しかった。1と2のメインテーマで同じことを歌わせているのは勿体無いし意味もない。

1で真実の愛に気づいて魔法の力を受け入れたエルサが、2ではその力をどう活かして使っていくのかを見せてほしかった。
戴冠式までの時間と当日をメインに描く1ならエルサのメンタルに共感できるけど、女王として過ごして時間が経ってる2で同じところに戻るのは成長のなさと逆行を感じる。

1で「どうして自分はこんな力を持って生まれてしまったのか」と悩んでいたエルサに、2では「他の人にはないこの力を、社会と世界のためにどう生かしていけばばいいのか」で悩んで欲しかった。
実際のアナ雪2では冒険物語を軸に据えてエルサは主に冒険クエストをクリアするために魔法の力を使ったけど、そうじゃなくてもっと別の方向ですごい魔法を使って魅せて欲しかった。自分一人が歩を進める為、自分一人の為だけじゃなくて!!そうじゃなくて!!

 

そう、最終的にアートハランにはエルサ一人で辿り着くという展開も嫌だった。そこはアナも一緒に連れて行ってあげてよシナリオ!!!!

幻の聖地に辿り着けるのは魔法の力を持った選ばれた人間ただ一人で、真実に触れられるものその人だけで、あの地に辿り着く為には特別な魔法の力が必要っていう展開が個人的に好みじゃない。
両親の真実を知りに行くんだからアートハランには姉妹二人、魔法の力を持つ姉とただの人間の妹、二人で行って欲しかった。エルサづてに聞くことは出来たとしても、アナは水が記憶していた両親の姿や想いを見られなかったのは可哀想だと思った。同じ両親から生まれた娘なのに…。

 

閑話休題

ここからは私の「こんなアナ雪2が見たかった」妄想。

 

 

まずあの銃火器が存在していないらしき世界でエルサが持ってるチート魔力の一番の利点って、やっぱり軍事力としての利用じゃないですか。

でもディズニープリンセス侵略戦争なんてしないし、して欲しくもないので、侵略戦争をしかけてきた大国(悪役)vs小国アレンデールの防衛戦争物語を見たかったですね。

敵国が攻めてきて、国と民と平和を守るために魔法の力を振り絞って戦う女王エルサを見られた方が絶対私は楽しかったし、楽しい人多かったと思うんだけどなあ。

私がエルサだったら「せっかく持ったこの力で国を豊かにするにはどうすればいいか」って考える。エルサも1の最後ではスケートリンク作って民と遊んだりしてたけど、落ち着いたらもっと色々考えたり実行したりできたはず。

私だったら、まずは魔法で発電所作ったり鉄道作ったりしてインフラを整備する。自分の魔法が作動している間は永久に動力タダ!!素晴らしい!!!

そうして底上げされてる間に魔法に依存しない技術の育成に努めて、自分の死後魔法が解けてもそれが維持されるように準備していくなあ。

エルサも同じようにしたとして、急成長するアレンデールの豊かさに目をつけた大国が攻めてくる訳です。

エルサは強大な魔法の力はあるけどちょっと視野が狭いところがあるから、そこをアナが参謀として上手くフォローして、エルサには見えていない視点や斬新な発想で名案を閃いたりして活躍してほしい。ただの人間だけどその存在の大きさはエルサと同等、スペアなんかじゃない、アレンデールがしっかりと立つための両足の一つ、羽ばたくための両翼の一つなんだよアナは!!そういうアナが見たい!!

そしてアナだけでなく、一般国民もオーケンもクリストフもオラフも、エルサの元に一致団結して知恵を出し合い徹底抗戦。最終的に皆の出し合った知恵を合体させた作戦でエルサの魔法の力を倍増させて一気に敵を殲滅して撃破、魔法の力は人を殺さず無力化できるので死人も出ずにめでたしめでたし!!

エルサとアナは二人で力を合わせて欠点を補い合い、長所と力を伸ばし合うことができる、二人揃えば一人でいるよりずっと凄い力を発揮する姉妹なんだという描写と、その姉妹が力を合わせて国難の戦争を乗り切ったという物語が見たい。

 

それとハンスが2で氷像でしか出番ないのも寂しいから、ハンスも絡めたい。

侵略してくる大国にアレンデールの情報を流したのはサザンアイルズの国王(ハンス兄)だったとか。
ハンスはサザンアイルズで冷や飯食ってたけど改心して活躍、という展開が見たかった…これはただのハンス贔屓だけど、アナ雪1で出奔するアナに事前に何の相談もなく突然国を丸ごとぶん投げられたにも関わらずアレンデールの人々をしっかり取りまとめて信頼関係も築いていたハンス、作中で一番為政者として才能ありそうに見えた(※劇団四季版感想参照)し、改心後は有能キャラとして活躍する素地はあるんだよなあ。

ハンスは1でアナとエルサをそれぞれ殺そうとしてるから、どうすれば許されるかなかなか思い浮かばないし難しい所なんだけど、なんかこう視聴者が納得できるようなハンスの苦労と改心があって、最終的にハンスはサザンアイルズ国王になってアレンデールと盟友になるとかそういう展開が見たい。

 

そしてベタだけど、エルサは戦争で魔力を使い尽くして魔法の力を失い、ただの人間になるとかでもいいと思う。
そしたら「どうしてこんな力を持って生まれたんだろう」って疑問もあっさり解決するじゃないですか。「そうか、私はこの国と人々を守る為にこの力を授かったのね」でいいじゃないですか!!!

 

最後はアナとエルサの二人の描かれた肖像画が映し出されて「アレンデール中興の祖と称えられた賢姉妹、エルサ女王とアナ王女だよ」「エルサ女王は生涯独身を貫かれて、今の王家はアナ王女とクリストフ様の子孫なんだよ」とかおばあちゃんが子供達に語ってあげてる後日談が映ったりする。

 

以上!!

お付き合いありがとうございました!!妄想楽しかった…!!

 

私が思いつくくらいだから、ディズニーの人達も選択肢の一つとしてこういう方向の続編も考えたとは思うんだよなあ。なんでダメだったんだろ。次の作品の「ラーヤと龍の王国」が国同士の戦争の話で内容が被っちゃうからとか…?

そういえば私にはアナ雪2よりラーヤの方がずっと面白く感じたし刺さったなあ。ラーヤもう一回見たいな〜。