<2024/10/12(土) 13時00分公演 B席2階I列30番台センターブロック 日生劇場>
初演の時はチケットが激戦で全然取れず、周りに見た人もいなかったのでどんな演目なのかあまり知らないままだったニュージーズ。
音楽がアラン・メンケンなので1回は見ておきたく、今回の再演でようやく行けました!
実際に見てみると、
アランメンケン(音楽)2 : 小池修一郎(演出)8
くらいの割合の印象の強さでした。小池味が強い…ッ!!!
そして「ニュージーズ」を見ているはずなのに「1789」を見にきたっけ?と何度も勘違いするくらい「1789」を見ている気分になりました。演出家が同じだとこうも印象がかぶるものなのか。
あまりにもあまりにも1789すぎて確認したところ、ニュージーズの原作は1992年のミュージカルで1789関係なかったんですが、主役とヒロインのキャラクターがロナンとオランプまんまな上にロナンとオランプまんまな流れでキスをしたりジャックが自由と革命を叫んだり印刷機で新聞を印刷したりと、物語の筋も主張もやってることも全部同じなので頭がこんがらがる。
悪く言うと二番煎じ感が強くて、「1789」の印象が強すぎるので「ニュージーズ」のキャラや物語が霞んで見えてしまいました・・・。日本版に限定すると、1789を未見で見た方が楽しめた気がする。
決して悪くはないのですが、あまり印象に残らない演目でした。音楽も決して悪くない、むしうろ良いとは思うのですが一発で頭に残る旋律がなく。
何より物語のパンチが弱い。地味というか薄い。内容がないわけじゃないんですが、かけてる時間の割に話が進まなくて特に一幕はやや退屈でした。二幕は話が好転していき楽しかったのですが。
そういうやや退屈な筋を役者の魅力で退屈させずにいられれば良いんですが、釘付けになるオーラを感じる人もおらず…。
演技部分の間が冗長で退屈なんですよね。演技部分カットして歌と音楽と踊りだけで構成すれば良いのになあ。
若い男の子達が集団でひたすら踊る場面は見ていて楽しかったので、個人的には唯一そこが楽しめるポイントでした。
最初は若者達の歌と演技に歯痒さを感じていたけど、ダンスシーンはとても良いし、彼ら皆基本的にダンサー採用なんだろうなと思うと、一生懸命さはビシビシ伝わってくるし最後には好感持って応援する気持ちになりました。(ロミジュリと同じパターン)
小池修一郎とアランメンケンがタッグの歴史劇なら帝劇でやってもいいくらいのではと最初は思いましたが、なるほどこれは物語が日生の規模感でした。
題材は悪くないと思うんだけど。脚本がもう一歩なのかなあ。
ニュージーズ、演目的には悪くないと思うのですが、どうしても1789と比べてしまうし、1789の方が音楽がよりキャッチーでキャラクターも個性的でバラエティに飛んでいて何より物語に苦味と深みがあって面白いので、1789を見ればいいか…って思ってしまう…。
ニュージーズ、やはりディズニーというかアメリカが作ったミュージカルという感じがします。完全無欠のハッピーエンド的な。
ただこういう、苦味がない演目も世の中にあった方が良いと思うし、こちらの方が好きな人もきっといるだろうから、どっちも世の中に末長く残り愛されてくれ!と思います。
作り手が苦心惨憺して作ってくれたであろう全ての演目にすべからく感謝の気持ち!!
それにしてもB席5千円で2階席で生オケで見られる演目、もうほぼなくなってきちゃったなあ。(今回はそれもチケット購入の決め手でした。近年の演目の中ではこれはありがたいなと)
アランメンケンの他作品よりは自分には響きませんでしたが、上質な音楽を好きな劇場で堪能できて嬉しかったです!
↓ブロードウェイ版