
<2025/8/10(日) 12:00公演 S席1階20列20番代後半 @東急シアターオーブ>
ワールドツアー来日レミゼコンサートに行ってきました!!
英語のレミゼは久々!!日本語字幕を楽しみにしていたけどほぼ東宝版の歌詞なので個人的には字幕の楽しみはほぼなかった!!
でも日本にいながらにして英語版レミゼを見られる貴重な機会!!
「ペテン師と詐欺師」から2週連続での観劇になりますが、どうしてもキリアンバルジャン&ブラッドリージャベールのコンビを見てみたく、夫に土下座して観劇してきました!!
行ってよかったです…。
スターズのブラッドリージャベールの空間支配が凄かった。
会場全面を照らしてくるライトに負けてない歌唱力と存在感。素晴らしいものを見せてくれてありがとう…。
工場の場面のモブとか工場長とかずっと好きじゃなかったんですが、でも「彼らも哀れな人々なんだよなあ」と今回初めて思えて、しみじみしたり。
アンジョルラスがアンジョルラス!!って感じの若さと勝気さと無鉄砲さに溢れていて、なんか始終飛び跳ねてて元気いっぱいで、すごく好きだなあと思ったり。
衆の歌とワンデイモアのパワーがすごくて、レミゼはお客にもキャストにも愛されてる世界観が確立した演目で、そういう演目でしか体験できない没入感とエネルギーがあって、私はそこも含めてレミゼが好きなんだなと再認識したり。
今メッテルニヒとカースルレイの話を改めて形にするべくぼちぼち文章書いていまして。
今回は法と正義と秩序を守るために頑張るジャベールに、今までとはまた違う共感と感情も芽生えました。
メッテルニヒがいなかったらレミゼの世界にはそもそも法も秩序も倒すべき政府もなくてジャベールは存在していなかっただろうと思うと感慨深い。
メッテルニヒが主導したウィーン体制は、ヨーロッパの君主国が相互に協調して、自由主義や国民主義といった「革命的な思想」を弾圧するシステムで、ジャベールが信仰する「法」は、このウィーン体制によって守られる君主制下の「法」。
オーストリア宰相のメッテルニヒはフランスの警官ジャベールの個人的な上司ではないけれど、「ヨーロッパの宰相」「秩序の岩石」と呼ばれ当時のヨーロッパ全体の保守・反革命体制を指導し秩序と安定を維持しようとした人で、フランス革命とナポレオン戦争後の混乱をおさめ、ジャベールが信じる世界の「構造」そのものを作り出した人。
ジャベールが信じてる法と正義と秩序はすべてメッテルニヒが生み出したもので、ジャベが語りかけてるお星様がメッテルニヒ。そんな概念。
赤黒や民衆の歌やワンデイモアのエネルギーがすごければすごいほど、なぜこの民衆の革命が失敗したのか?彼らの声はねじ伏せられたのか?ドラムの響きは消えたのか?ということに思考がシフトする。
これだけの人がこれだけの熱量で叫ぶ声を、すべてねじ伏せてかき消している、このレミゼの世界の上の上の上に、一人で立っている男に思いを馳せる。
この民衆の熱い熱い叫びを、「秩序を破壊する革命分子は消す」という確固たる意思で持って、冷たく容赦なく消していく男。
メッテルニヒ目線でお話を書いていると、メッテルニヒが圧倒的悪役であることを忘れそうになってしまうけれど、やはり彼は圧倒的悪役なのだ。目が醒めた。
世界の上に立つ人のことばかり見て、その人のことばかり考えてると、盲点が多くなってしまいます。
レミゼを見ると、哀れな人々がいたことをいつも思い出させてもらえる。
私はレミゼの存在に感謝して、定期的に触れなければならないと気持ちを新たにする。
偽善でしかないんだけど、それでも最低限のバランス感覚を自分の中に保つためにレミゼが必要なんだなあ。
創作にのめり込み過ぎてメッテルニヒ側に染まり切ったら人としてダメだと自戒。
でも1813年にメッテルニヒがナポレオンと繰り広げた戦いを必死に理解しようとしてると、意味わからなくて頭沸きそうになりつつ、これを解説するキッシンジャーもすごいけどこれをリアルタイムでやっているメッテルニヒが意味わからなすぎるのよ。同じ地上に生きている人間ではないのよもはや。
この外交戦をナポレオンと繰り広げているメッテルニヒから見ると、己の手に銃を持って世界を変革しようとする学生があまりにも稚拙で愚かに見えるのは、それはそうなんだろうなと思わざるを得ない。
でも世界の人間の大半はメッテルニヒのような天才ではなく、武器を取るのにもすごく勇気と力がいるんだよ。圧倒的な構想力や国際的影響力を持たない人々が、自分の不正義や抑圧への怒りをどう形にするかと問われれば、声を上げ、集まり、時に暴力を伴う行動を取るしかない。
それは成功率こそ低く、冷徹な歴史の俯瞰からすれば「無謀」に分類されるとしても、当事者にとっては自分の存在と尊厳を守る唯一の方法。
レミゼの民衆の歌は、勝ち目のない戦いの中でしか生まれない輝きを放っているのかもしれない。
正直、レミゼは日本語でも英語でも何度も見ているので、もう人生で見るべき量の定量には達している気がします。
今回も、見られればいいけど、気持ちの中では見たことのない演目を見て新しい刺激を得ることが優先で、見られなさそうなら諦めようかな、と思っていました。
でもやっぱり諦めなくてよかった。レミゼを好きでよかったと改めて噛み締めていました。
これからも見ます。私にはレミゼが必要なんだわ…。
なんかあまり舞台の感想になってなくて恐縮です。観劇はアウトプットに役立てるためのインプットでもあるので、私にとってはとても良い観劇だったのです。
今回一番刺さったのはブラッドリージャベールだったけど、全体的にとても良い舞台でした。
来日ありがとうございました!!
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