黄金羊の観劇記

観劇・映画・読書の感想を好き勝手に書いてます。東宝・宝塚・劇団四季中心、海外ミュージカル(墺英米)贔屓、歴史好き。

ミュージカル「ディア・エヴァン・ハンセン」感想

<2026/8/20(木) 18:00時公演 1階XA列10番台前半センターブロック@EXシアター有明>

 

映画版を一度見ただけで記憶曖昧なディアエヴァンハンセン、舞台版日本初演!!かっきーが主役!!というわけで見てきました!!
映画版、話の細部どころか結末もよく理解していなかったので、

えっねえもうこれハッピーエンドに…ハッピーエンドにしてもらっちゃダメなんすか!!??ここから暴露していくの!!?真実を!!!??!!?

コナーには申し訳ないけど、生者全員ハッピーになるならもう真実は葬り去って生者全員幸せになる方が良いんじゃないの!!?と思ってしまったんですけどこれは倫理的にダメなんですか偽善なんですか!!?

貧乏コナーがスピーチで世間に見出されてコナープロジェクトの活動が認められて奨学金を得て大学に進学、お金に余裕がある家庭のマーフィー家&ゾーイと縁組してハッピーエンドという展開になんの問題があるというんですか!!??誰も悪くないし全員幸せになるだけなのに!!?!?

と幕間で動揺。

 

日本人日本語キャストの良さを堪能しました。英語版よりなんかすごく話がよくわかった。

いやーー舞台上に好きな人しかいなくてすごく幸せなんだけど、改めてしんどい話でしたね!!
でもこの題材内容がミュージカルになるのがほんとミュ大国アメリカって感じする。日本なら似たような題材の漫画がいくつもありそう。

大金出してかしこまって大人が見るような演目じゃなくて、数千円とか、なんなら500円とかで中学生〜大学生くらいに見てほしい演目ですね。文科省ーー!!いや文化庁!!?こういう演目こそ補助金出して全国の学生に見せてー!!
あっでも結構下ネタが直接的だから高校生以上でないときついか。

私自身は主人公の高校生たちより親世代の目線で見てしまって、子供と会話しながら仕事のパソコン叩いてメール送ったりを自分もやってるのですごく耳が痛かった。
娘にぐれられないようにちゃんと向き合わねばと…向き合ってるつもりなんですけど、育児難しいよね…。

 

コナーに取り上げられたエヴァンの手紙は、その内容が大事なのにあまり注意せずに聞いてたらうろ覚えで困るから、作中で3回くらい内容復唱して欲しかった。

「手紙の内容もう一回言って!!?」って、手紙が流れていってからずっと思ってた。

 

そして終演後。

は、、、
ハッピーエンドだった!!??!?(自分判定)
本当に何も覚えていなかったというか映画版のストーリーよくわかってなかったな自分!!!

とやはり動揺しつつ、かなり安心しました。

あそこから助かるハッピーエンドがあるんですか!!??と思ったけど主人公高校生だし、私がコナー両親だったら、嘘つかれたことや自分の息子にはやっぱり友達いなかったことにショック受けて最初こそ一瞬エヴァンを恨んだり怒ったりするかもだけど、冷静になったら、エヴァンは自分達を慰めて救おうとして嘘をつき続けたんだってことすぐにわかるし、だからこそ、エヴァンの嘘を世間的には事実にしたの、私が彼らの立場でも同じことをすると思う。
自分に持たない理想の環境をエヴァンが欲してしまったことは作中でエヴァン本人も認めてるし、それは仕方ないことだと思うし、そしてやっぱりあの子の中には自分達を喜ばせようという善意があって、それが嘘をつかせた原因なんだって思ったら、私が両親だったらむしろエヴァンに謝る。私達のために辛い嘘をずっとつかせてごめんねって、しんどかったよねって。そして実際エヴァンは後半もう本当に辛そうで辛そうで、こんなこともうやめたい、と自分で言っていたし、結局エヴァンがコナー一家と自分の母親にだけはちゃんと真実を打ち明けて、世間には知られないまま火消しして全員(嘘を抱えながら)平穏無事エンドになったのは、現実にもありそうだし個人的には納得できる。断罪されなくてよかった…。

 

推し、柿澤勇人、最初ちょっとそれは演技過剰ではないですか!?と序盤心配になったエヴァンハンセンのキャラ作り。

しかし相変わらず安定安心の歌唱力に加え、一幕終盤のコナーのベッドの上に座るとこからネクタイ握りしめてのスピーチまでの演技が素晴らしく、一気に感情を盛り上げられた。これなんだよなあ…かっきーの良さ…。

周囲の人からは、エヴァンはコナーの友人だからネクタイを握りしめているんだろう、というふうに見えるしエヴァンもそういう理由づけを周囲に見せられるから遠慮なくネクタイを握りしめるんだけど、エヴァンは別にコナーを想っているから辛いわけでも涙ぐみそうなわけでも全くなくて、それを本人も自覚していて、それでも勇気と力を振り絞って自分の中から言葉を出すために、コナーの両親が自分にくれたネクタイに縋っている、周囲が想像しているものとは違うけれど確かにエヴァンはあの場で本当に泣きそうになっていて、あのネクタイを支えにして必死に言葉を出していていた。「周囲の想像(期待)と内実は実は全く違うが、それが違和感なく綺麗に噛み合っている」という状態をエヴァンも自覚しながら振る舞っていることが演技で伝わってきて大変よかった。

エヴァンが堪えきれず泣きそうになる理由が、コナーの死の悲しみではなくエヴァンの特性とこれまでの孤独や苦労ゆえの緊張と不安なんだけど、エヴァンは本当に苦しそうなのが見ていて伝わるから、「感情」の部分では全く嘘がない。それがまた周囲に「コナーとエヴァンは親友だった」という嘘を信用させる真実味になってしまう、という説得力。

この舞台、エヴァンと同世代の高校生とかが見たら共感の嵐でめちゃくちゃ泣くんじゃないかなあ。40代の私が見てさえ柿澤エヴァンに共感させられて泣きそうですもん。

エヴァンのキャラ作りについては賛否両論ありそうだけど、私はかっきーの演技が単純に好みなのです。(だからこそ推しと言えるのだと思っている)

エヴァンが、人と目を合わせて喋れないし喋り言葉は流暢に出ないけど、文才はあるという設定良いな。
楽曲だけじゃなく歌詞も綺麗でとても良いんだけど、その言葉をエヴァンが作ってるということに無理がない。

 

死人に対する嘘ついてプロジェクトとかやっちゃったことは確かだけど、それを死人に償う方法もないし、高校生大学生が現実的にやれる範囲で誠実な対応だなって思った。
嘘はついたけどエヴァンは終始「晒さないで」って言ってたし。

エヴァンの承認欲求は「自分の存在を無視されないでほしい」っていう身近な範囲、というか生存に必要な分だけの承認を求めている気がしたのでそこは全然嫌さを感じなかった。
聞き手を幸せにするために嘘をついてしまうエヴァンや小銭のために偽メールを作るジャレッドにはそこまで嫌悪はなくて。

一番「やばい」と感じたのはアラナです。
やめてと言われたものを無断で晒すな、ネットにあげるな。あの行動はやばい、やばすぎる、人の話を聞け、ともう見てて本当にしんどかった…。

お話はしんどいんだけど舞台の質はすごく高くて、とても色々なものを受け取らせてもらいました。
良い舞台だった。今年見た中でベスト舞台になるかも。

 

途中で舞台の上に元月と元リュークがいることに気づいて、突然ディアエヴァンハンセンがデスノートB面に見え始めた。
よかったエヴァンが落としたのが自分宛の手紙で!!名前を書かれるのがインターネットで!!デスノートじゃなくて良かった!!新世界の神にならずに済んで良かった!!!自分の罪を自白して反省できる子で良かった!!辛さを感じなくなって開き直って罪を重ね続けて破滅に突き進む高校生じゃなくて良かった!!!

 

エヴァンがコナーをイマジナリーフレンドにして少しずつどんどん自分の言葉を口に出していけるようになってる過程、素晴らしかったな…彼に必要なのはイマジナリーフレンドだったんだね…。

あとエヴァンとコナーって元ロミオと元ティボルトだなと気づいてから、それも重なって余計にエヴァンとコナーのもしかしたらありえたかもしれない友情ルートが切なく霞みましたね…それは嘘なんですか?本当に??ロミオとティボルト(の中の人)が親友で仲良く世界の王を歌う世界線もあるというのに???(ウィーンミュージカルコンサート2の話)
エヴァンが最後にコナーが好きって言ってた本10冊読むってラストすごくよかった。

結局救われてないのはコナーだけなんですか?
コナーに救いをください可哀想過ぎる…。

 

他にも色々気づきがあって、

まず自分がエヴァン母だったらすごく苦しいだろうなと思いました。
言われるまで気づかなかったけど、母一人子一人で必死に育てた子供に、よその家庭の子供のように振舞われて、自分は親失格と突きつけられたらあまりにもしんどいよな…。

でも子供目線、エヴァンの言うことも泣きたいくらい理解できる「あの人たちは僕をセラピーに通わせたり薬を飲ませて病人扱いしたりしない、普通の人間として扱ってくれる」っていう言葉が、経済状態より何より刺さった。
どっちが正しいかもわからない問題だけに。

さらに言うと母親の立場だったら、先方の援助を自分のプライドのために断るのはアメリカ人の気質を考えたらそうだろうけど、それは冷静に子供のためを思うと本当に正しいのか?と思ってしまう。
自分のプライドと、子供に行きたい大学に行かせてあげることとどっちが大事なんだ??と。しかも子ども自身が大学なんか行きたくない勉強したくないと言ってるならともかく、エヴァンは明確に進学を望んでいるし。

確かに赤の他人から学費の援助を突然申し出されたらビックリするけど、私だったらいったん持ち帰りにさせてください、と言って、大変あつかましいんですけど、もし奨学金を受けられなかったら無利子で借金させてくださいませんか、くらいは言うと思う。
「自分の身の丈にあった人生」とかエヴァン母は言ってたけど、もし子供に才能があって本人も進学を望んでいるなら、あらゆる手段を尽くしてあげるのも親心ではないのか…?お金がないことを身の丈と言って諦めさせるのは親として悔しくないのか…?なんならマーフィー家に縁ができた幸運、運も実力のうちととらえれば別に気にしなくて良いのでは?成功の秘訣はパトロンに気に入られること、とガネーシャも言ってたし呼吸するように相手が喜ぶことを言って援助を引き出せるのも才能では???
とかなんとか思ってしまいます。

でもやっぱり、自分の子供をよその家に取られた!!と思ったらそれは確かに衝撃で…でも傍目に見ていたらそれまで欲しいと思っても持たなかった「優しい父親、いつも家にいてくれる母親、話を聞いてくれる彼女」を手に入れて嬉しそうなエヴァンには、良かったねえ、と思ってしまうし、コナー両親も、息子や兄にはしてあげられなかった、してあげるべきだった、してあげたかっただろうことを、自覚があるのかないのかわからないけど息子の偽友人相手にやっていて、でもお互いそれで幸せならこの両者の関係は特に問題ないのでは?とあしながおじさん好きなので思っちゃう。

柿澤エヴァン、一皮剥ければ新世界の神になりそうなキャラにだんだん見えてきたので、彼がマーフィー家に告白できた時には胸のつかえが取れて本当に安心したし、その次に母親にも告白してくれて本当によかった
月もせめてまず両親に打ち明けるべきやったんや…。

私がコナー両親だったら、エヴァンに告白された後まずコナープロジェクトの賛同者に対して「おかげでリンゴ園を再建できました、ありがとうございました」とお礼を言って、それをケジメにして解散、世間が忘れるにまかせるけど、劇中でもそうしたのかな。

遺書が晒されたことで自分達がネットリンチになったので、エヴァンよりむしろアラナを恨む気がする。コナーの遺書ではなかったけど、それにしたって何他人の手紙を勝手にネットに晒してんじゃゴラァ!!!と思…

いやアランもクラウドファウンディングの資金集めに必死だった、それはそう。でも彼女の場合、「自分の存在を無視されたくない、孤独が怖いっていうあなたの言葉に共感した」っていう、その気持ちも確かに本当にあったんだろうけど、でもそれよりやっぱり一番はわかりやすく承認欲求で、そのために行動してないか?と感じたので苦手。

 

コナー両親は、冷静に二人ともダメなところあるけど、でもあんな親がいたらいいなあ…と思う素敵親にもやはり見えるところが絶妙に良かったな。
石井一孝さん、近くで見たらカッコよかった…いやかっきーも素敵でしたが…ていうか立石君もカッコよくて…今回最前列センターブロック観劇で、役者さんたちの魅力やかっこよさを存分に浴びてきました。ずっと見上げていたので首は疲れましたが、役者さんと自分の間に何もない、オペラグラスいらない、至近距離で演技を堪能できる席で、大変満喫させていただきました。


本当にありがとうございます…ディアエヴァンハンセン、見られてよかった。期待のさらに上の品質だった。良い作品でした!!

 

 

 

 

きかんしゃトーマスファミリーミュージカル「ソドー島の1ばんはだれだ?」感想

 

<2026/8/2(日) 15:30時公演 1階3列20番台前半センターブロック@タワーホール船堀大ホール>

 

前回見たファミリーミュージカルの「かいけつゾロリ なぞのおたから大さくせん」がとても良かったのでハードルの上がった状態で見たのですが、

トーマスミュージカルも良かったです!!

トーマス、パーシー、カナの三つの機関車(カナは電車のようだけど)が立体で登場し、舞台上を駆け回ってくれて、ちびっ子たちは大喜びでした。

着ぐるみかな?と思っていたら人間が演じたゾロリとは違い、まさに「本物」(のような物体)が舞台上に出てきて、これはトーマス好きならすごく嬉しい舞台ですね!

 

主役は整備士のお姉さんお兄さん。

物語は子供向けに単純でわかりやすく、友情・努力・一緒に問題解決!!って感じでストレスなく見られます。

歌もダンスもみなさんお上手で、客席に呼びかけて観客が参加する機会も多く、飽きずに楽しめました。

途中、整備士のお兄さんが工具を探す場面では、ちょうど私と娘が座っていた席の通路を挟んで反対側の座席に工具が隠されていて、役者さんが隣に来てくれて、臨場感抜群でした。

 

全体的にとてもクオリティの高い舞台で、ゾロリに続いてこちらも「来年もぜひまた見たいね!!」と終演後に娘とニコニコ。とても良い作品でした。

 

甲乙つけ難く良かったんですけど、なんだろう、トーマスは世界的な知名度もあって「期待通りのハイクオリティ」という印象はあったかも。

映像も大道具小道具も衣装も役者も、商業ミュージカルという感じで全部安心高品質。

それに比べると、ゾロリの方が「低予算手作り感があるのに、見ていると役者の演技がやけに高レベル」で、頭に残った気がします。

お芝居の工夫やキャラクター感をより感じられたのもゾロリ。

これはトーマスの整備士役の方々は個性を立てにくかったのと、ゾロリは元々「立たせるべきキャラクター」、イメージが確固としてあるいるせいもあるかもしれませんが、

たとえば、トーマスたち機関車を全員人間が演じていたら、もっと演技力を感じる舞台になったのかも。

ただ、子供向けミュージカルとしては実物の機関車(に見えるもの)を舞台上に出してくれたのは大正解だと思うし、この形で良かったと思います。むしろ機関車を舞台上に出して動かしててすごい。あれどうやってるんだろう。

 

という感じで舞台はとても良かったのですが、

今回、予約した席で生まれてはじめてダブルブッキングのトラブルを経験してしまい、

開演前にバタバタして落ち着いて見られなかったのが残念でした…。

(転売チケット購入とかそんなことは全くなく、主催者が同じ座席のチケットを間違えて二重発行していたという防ぎようのないトラブル)

(幸い空席がある舞台だったので、夫には当日空いていた後ろの席に座ってもらって、私と娘だけ予約していた前方席で見た)

そういうこともあるんだなあ。

後日主催者から改めてお詫びの電話がかかってきたんですが、タワーホール船堀でミュージカルをやってくれてめちゃくちゃ嬉しいので、今後もミュージカルをやってくださいと伝えました。

 

ゾロリもトーマスも、安くて質の良いミュージカルを近場で楽しめて本当にありがたかったので。

また見に行きたいです!

 

 

 

 

音楽座ミュージカル「マドモアゼル・モーツァルト」2026年版感想

<2026/7/24(金) 18:30時公演 1階I列30番台前半サイドブロック@IMMシアター>

本当に偶然たまたまこの日の夜後楽園に用事があって、おけぴをのぞいたら偶然たまたまチケット見つけて、後楽園に劇場があることすら知らなかった私はこれはご縁だなと思って予定捩じ込んで行ってきました!!

これは後味が…演劇!!後をひく余韻…ッ!!

 

私あんまり…見る目に自信ないからわかんないんだけど…

岡崎かのんさん…土居裕子さんの声帯と中川晃教さんの演技力を持つ…?
天才では………??

音楽座ミュージカル、東宝版「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」くらいしか見たことなくて、ちゃんとした音楽座を見るのも初めてで…何も知らなくて…何も知らなかったのですけど…主演の方が…身体能力が…すごくて…
アマデがそのまま大人になったような…モーツァルトで…あの…すごかったです…。

モーツァルトは傍目に見ててもとても難しい役で、彼女に演技力と魅力がないと成り立たない舞台なのですが、見事に舞台の真ん中でモーツァルトとして存在していて、モーツァルトって本当に女だったのかもと思わされる説得力でした岡崎モーツァルト。本当に良かった。

中川晃教以来、M!では見られなかった天真爛漫天才系ヴォルフを、女の子であるが故に無理なく違和感なく演じていた。こんなヴォルフ、じゃなくてエリーザが見たかった、と思う人たくさんいそうだし本物感がすごい。

歌はまだ伸び代があると思った(長音の伸びとか)けど、とにかくまず歌声が綺麗で、耳に入るだけで気持ち良い澄んだ美しい声で、これは天からの賜り物だあ。
今後も追いかけたいと思う役者さんにまた一人出会えました。

 

そして今調べたらやっぱりマドモアゼル・モーツァルトの初演のエリーザ土居裕子さんじゃないですか!!そうだと思ったよ!!!
えっ21世紀版って脚本が大幅改訂されてるの!!?昔はどんなだったの!!?昔はどんなだったかわからないけど今回改定された脚本の方が私は好きな予感がします!!

 

確か私この作品の存在を初めて知った時、あらすじだけ聞いて「映画アマデウスのモーツァルトとサリエリでモーツァルトが女の子だったらをやってくれてるってこと!!??」と思って見たくて見たくて転がり回って、でも上演してなかったから原作漫画を買って読んだような記憶。

でも舞台版はもしかしたら漫画とは結末を変えているかも、という一縷の望みがあって、
モーツァルトが実は女の子でサリエリとくっつく話が私はずっと見てみたくて見たくて仕方なくて、
今回ようやく舞台版を見て、舞台版のお話を確認できました。

 

ネタバレするのでこれから見てみたい方は読まないでね!

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ミュージカル「かいけつゾロリ なぞのおたから大さくせん」感想

<2026/7/5(日) 13:30時公演 1階1列20番台後半サイドブロック@タワーホール船堀大ホール>

 

かいけつゾロリミュージカル、失礼ながらあまり期待せずに行ったら想定外の良さで大興奮しました。

えめっちゃ良…めっちゃ良かったですよ!!??なに!!??!???

 

衣装:アマチュアクオリティ

舞台美術:アマチュアクオリティだけど押さえるところを押さえていて良い

曲:とても良い

振付:とても良い

役者(演技):とても良い

演出:低予算の中で見せる工夫を重ねていてとても良い

総合評価:めちゃくちゃ良い

 

って感じでした。

 

私は原作未見なんですが、なるほどこれはそもそも原作がとても良いですね…!?

役者さんたちが各キャラクターをしっかりと把握していて、台詞の抑揚の付け方や間の取り方、動き方なんかもブレない「像」を意識して作り上げていて、そこがまずすごかった。

え、ゾロリってアニメ化したことある?

(検索)

あっやっぱりアニメ化してるのか!!なるほど納得!!

いや、ゾロリ役の役者さんが声優さんばりに声のキャラクター演技がしっかりしていてびっくりしていたので、

アニメ化していたなら絶対参考にして研究にしていそうだなと。

 

娘に飽きずに見させるためにはたとえ端によっても前方で見るのが大事!!と今回最前列で見てたのですが、ゾロリ役の人も他の人も、身体の動きはもちろんだけど顔の細かい表情まで場面場面に合うようにすごく丁寧に細かくちゃんと作っててオタクは感心しました。

 

話も幼稚園〜小学生くらいの子がちょうど楽しめるわかりやすさと笑える程度で、ちゃんと大人も笑えるのが大層良い。

発声ちゃんとしてて台詞全員聞き取りやすいし、体幹もちゃんとしているというか、ちゃんと鍛えてる人の動き。

役者さんたちがちゃんとプロクオリティでもうまずそれが驚きだった。

(先日見たG7の一部の役者さんたちがガッカリクオリティだったので…)

 

歌はそこまで多くはないけど少なくはなく、そして全部曲が良い。曲が良いんですよ!!

そして振り付けも良いんですよ!!だいじ!!!

 

曲が良くて話が良くて振り付け良くて役者が良くて歌も演技も上手かったらもう多少舞台装置と衣装ががチープでもオタクは全然気にならないのよ。

むしろ舞台装置と衣装がアマチュアクオリティだからチケット代がこの値段(全席2,800円)なんだろうな…東宝四季宝塚レベルのしっかりした舞台装置と衣装でやったらチケット代6千円くらいにして二週間くらいは公演しないと元取れなさそうだもんな…とも思いました。

舞台装置や衣装やその他随所にアマチュア感は漂っているので、四季や宝塚クオリティを求める人たちにはおすすめしにくいけど、そのへんは気にせず「曲と話とキャラクターと役者の歌と演技の良さ」だけを求める人には全力でおすすめできます。

豪華ではないんだけど、子供が喜ぶ大きなお城や大蛇なんかはしっかり作っていて、大事なところはちゃんと誤魔化さずに「物」として舞台上に出してて偉いなと思ったし、

吸引される演技とか、崖をのぼる演出とか各所の工夫がすごく良かったし見ていて楽しかった。

特に、役者全員床に這いつくばって、観客に

「さあ皆んな、横向きに見てー!!横向きに見たら、私たち、崖を登ってるように見えるでしょー!?ここからは想像力の世界だよー!!」

とか客席に呼びかけてきた時、もうこの舞台大好きってなっちゃった。

想像力で補うのは舞台の醍醐味だし、観客として楽しいです。

 

またG7と比べちゃうんだけど、あちらは映像や舞台装置にはお金をかけてちゃんとしていたしその分チケット代も高かったけど、肝心の役者さんの実力が残念だったので対照的だなあ…。

G7のチケットが1階前方席12,000円、後方でも9,000円で、ゾロリが全席2800円とはなあ。いや資本主義的に正しいし劇場や舞台装置の豪華さ的にもそうなんだろうし値段が逆だと子連れファミリー層が気軽に子供に見せてあげられなくて非常に困るし正しいあり方なんですが、正直舞台って値段と内容(価値)がまったく比例しないのねって思いました。

むしろこんな良い舞台をこの値段で気軽に見せてくれてありがとうゾロリ…。

 

きぐるみミュージカルかと思っていたので、最初にゾロリとイシシノシシが舞台上に出てきた時

「に、にんげんだーー!!」

と驚いてしまったけど、話が進むうちにイシシノシシはどんどん可愛くなるし、ゾロリはどんどんカッコよく見えてきてしまうし本当舞台って魔法。

 

ゾロリ、子供達に舞台の面白さを伝えるという点でも良いミュージカルだなあ

豪華な衣装や機械装置がなくても、実力と工夫とアイディアさえあれば良い舞台は作れると教えてくれる

今の中高校生くらいならこのくらいの舞台なら作れるかも、と具体的な目標にできそう。

 

そして舞台上のキャラクターたちなんですが。

ゾロリがかっこよかった!!いや、ゾロリカッコ良くない!!?カッコ良いですよね!!?

背高くてスタイル良くて声良くて、なんかあの被り物や仮面の下はイケメンなのかなとかまで思ってしまったんですが、原作のゾロリもああなの!!?原作未読なんですけどイケメン設定なんです!!?

役者さんが何を表現したいのか非常にわかりやすくて非常に!!いやあ!!非常に良いキャラでしたよゾロリ!!!!

あれは軽薄で残念なナンパ男のフリしたカッコ良いイケメンキャラ。主催が東宝だったらプリンス井上芳雄が過去にやってても違和感ないキャラ。

 

イシシとノシシの方々もめちゃくちゃ良かったんですが、

イシシとノシシ、女の子…?

え、そうなん…???と思って今調べたけどやっぱり原作は男達!??

ですよねあのキャラなら男の子ですよね!!??

いや舞台で女の子でびっくりしたよ!!???!?

ゾロリとの身長差体格差をわかりやすく出すために女性をキャスティングしたんだと頭ではわかったけど、あれもうイシシノシシはなんで二人いる???一人やったら完全にゾロリの最後はイシシノシシを花嫁に迎えてハッピーエンドでは???それ以外ありえなくない???と思ってしまった。

あれは花嫁を探し求めて世界中の可愛い女の子をナンパして回ったけど誰より師匠を支え師匠を理解する弟子の存在のありがたさにある日突然師匠が気づいて弟子への愛を自覚してプロポーズしてハッピーエンドのパターンのお話じゃないんですかどうですか。

 

終わった瞬間娘が「もう一度見たい!!」と言い出したし私も2,800円でこのクオリティは三ヶ月に一度くらい見たいと思ったんですけど次に見られるの来年なんです!!?

一年に一度しか見られないの!!??

終演後、娘はなん度も「もっと続きが見たい」と言いい、私は劇中曲を振り付け付きで歌い、良い舞台あるある仕草を親子でかまながら帰路につきました。

ありがとうゾロリミュージカル。すごく楽しめました!!

 

今まで娘といっしょに未就学児も見られる幼児向けミュージカルや舞台をそれなりに見てきたと思うけど、ゾロリミュージカル、子供向けミュージカルとしては今まで見た中で総合点で一番だった気がします。

子連れで機会がある人はぜひ一度見に行って見てほしい。

 

私は、来年も絶対チケット取って見に行こうねと娘と約束しました。

どこかで再演されたらまた観るぞー!!

 

 

ミュージカル「レベッカ」感想

 

<2026/6/22(月) 13時公演 1階12列一桁番台後半センターブロック@東急シアターオーブ>

 

レベッカ見てきましたーーーーー!!!!

最高最高最高最高最高

ありがとう最高

全員良かった!!!全員良かったけど彩乃ベアトリス豊原私そして海宝マキシム、ブラボーーーーー!!!!最高に良かったありがとうありがとう!!!!!

 

豊原私と海宝マキシムまじでありがとう最高。

こんな私とマキシムが見たかった。

歌よし演技よし外見よし文句なし。

豊原私、歌が上手い声が可愛い歌が上手い声が綺麗歌が上手い顔可愛い歌が上手い可憐歌が上手い。期待していたけど期待以上に素晴らしいキャスティング大勝利大正解。

若くて小さくて可愛くて可憐で守ってあげたいのに歌がバカうまいので、「可憐だけど芯はしっかりしている強キャラですね」と一瞬で理解できる。違和感なくすべてを説明できる。この可憐さ素直さ可愛らしさ声の美しさにはそりゃマクシムも惚れると納得しかなくて話が早い。そして二幕での覚醒展開も織り込み済みの歌の上手さ。間違いなく彼女がこの物語の主人公。正統派ヒロイン。理想すぎるありがとう大好き。

マキシムの打ち明け話を聞いてからの私の覚醒、今までは「私がマクシムを守らなきゃ」と母性本能に目覚めた人みたいな理解だったんですが、今日見てると「マキシムはレベッカを憎んでいた。マキシムは初めて会った時から、本当にずっと私を愛していた」と知って、自分と彼との間の愛に疑いが消え、自信が持てたから態度がしっかりしたように見えたな。マキシムはレベッカを好きで忘れられないんだと思っていたけど、彼は本当に自分を愛しているのだと知って、内面に揺るぎない芯が確立した。自分が世界一好きな人が、自分のことを世界一愛してくれてるんだから、もう何も怖くない、最初からどうせ何も持ってなかったんだから、私はこの人さえいればいい、この人を私が守る、みたいな。

最初から地位にも財産にも執着してないからマンダレイ燃えても当然どうでもよくて、ラストシーンで私とマキシムが二人寄り添って歩き去る後ろ姿、少し寂しい雰囲気はありつつ、でもやっぱり幸せなんだろうなと思ったなあ…。

マキシムがやったことと二人して罪を隠したこと考えたら現代倫理的にはちゃんと裁かれないといけないんだけど、時代背景もあるしスッキリ見れてしまったな。

 

そして海宝マキシム。ウヴェが宿ってるんかと思った。日本語なのに一瞬聞き間違えた。神よ何故、あの超絶技巧の切り返しを完璧に仕上げて歌い上げてくれてありがとう。

海宝くん、今まで歌も演技も上手いんだろなと思いつつ真にそれを実感して味わう機会がイマイチなかったのですが今日見たマキシムが私が今まで見てきた海宝くんの役の中で一番歌の上手さと演技のうまさを味わえてる。演技も最近。最初からその場面場面で何を感じて何を考えて行動してるのかめちゃくちゃわかりやすい。

こんな私ならそりゃマキシム惚れるよねという私と、こんなマキシムならそりゃ私も惚れるよねというマキシム。なんて応援したくなる素敵カップルなんだ。開始5分で物語一編分くらいの充実のラブストーリー見せてもらって、あれこの物語もう終わるんか?ハッピーエンド?ありがとう!となる密度。すごく…あしながおじさんです!!私はレベッカを見にきたと思ったらダディロングレッグズが始まったかと錯覚する海宝マキシムと豊原私の純愛あしながおじさんぶり。5分で終わるダディロングレッグズ。ありがとう良いもの見せてもらった!!末長くお幸せに!!えっまだ続きを見せてもらえるんですか!?

お互い天涯孤独の身の上(マキシムにはあんな良いベアトリス姉を忘れんなよと小突きたくなるのは置いといて)で孤独を感じているところに相手に出会って惹かれて初恋だったんですねとわかりやすい。初恋同士やん可愛い!!!!!幸せになれ!!!!

初見の人にはなんなのかわからない演技もあるかもだけど、2回目以降か原作読了済みで設定を知ってる人間には「どうしてこの場面でその表情なのか」が全部納得できるわかりやすさ。逆に初見だと「なんで今そんな顔してんの?」とわかりやすく思えるマキシム。本当にわかりやすい、観客に届けるべき情報がきちんと届く演技をしている正統派マキシム。

レベッカは絶対2回見ないとアカン演目やなと改めて思わせてくれるマキシム。マキシムはレベッカを全く愛してなくて憎んでいたと知っている状態で最初から見てるとマキシムが私に惹かれる理由がよくわかるので感情移入できるんだなあ。

40代で初恋やってるように見えるマキシム、二次元の存在として可愛い(現実にいたら妻をアレした過去を隠されて結婚されたら嫌すぎるが)。

全部顔と態度に出してくれてて本当にわかりやすい。二幕最後、レベッカの幻影に恐怖と驚愕で目と口をかっぴらいた表情、ライティングの加減で目の下に隈まで出来てた最高。

 

主役二人がすごく感情移入しやすく応援しやすいキャラクターでカップルだったので、ラストが綺麗なハッピーエンドに見えちゃったな…。

ダニーもマンダレイもレベッカに呪われ過ぎてるから早くそんなとこから逃げるんや!!と手に汗握る観客の願望を綺麗に叶えるマンダレイ消失。良かったねあんな場所から解放されて…と思ってしまう。

 

うーんでもラストのダニーのセリフは前の方が良かったな。

「マンダレイなど消えてしまえ」的な台詞になってたけど、ちょっとスケールダウンしちゃった感があった。その後の火事の驚きがなくなってしまうし、ダニーの動機がはっきり説明されすぎてしまっていて。

今回の再演、全体的に話がわかりやすく観客に親切になっていると思ったけど、ラストは(よく覚えていないけれど)前までの演出や台詞の方が、余韻や想像の余地があって好きだったと思う。

 

舞台にレベッカ本人は登場しないし原作でどう語られてるか知らないけど、私はレベッカもダニーと同等のクレイジーサイコ百合で、ダニーのことを愛していたけど身分違いだし同性だしダニーは自分を神格化して崇拝してるしであえて両片想いを貫いていた設定だったら一番楽しいし萌える派です(解釈の自由を行使)。

結婚前から、それこそ小さい頃からずっとダニー一筋だったけどどうあがいても結ばれないのでダニーの理想の「イギリス一の完璧なレディ」になり自暴自棄に男漁りしまくりつつダニーの前ではダニーの望む完璧な奥様を演じつつ内心虚しすぎて泣いてるような女だったら大好きですねレベッカ。ダニーのあの重すぎる愛に釣り合うような重さと深みのある女だったらいいのにとレベッカに求めてしまう。

 

それにしてもマキシムはなんでこんな恐ろしくて反抗的な家政婦長を雇い続けていたんだろう。レベッカの死後即解雇すればよかったのにと思ってしまう。私が来るまで表立って反抗的な態度には出ていなかったとしても、ずっと無言のプレッシャー感じていたろうに。

 

レベッカ死後のダニーは何をしたかったのかというのも、なんか今回スッキリしたようなしなかったような。多分これも役者さんによって解釈や印象が変わるんだろうな。

ダニーって完璧で賢い女に見えて、やってること別に賢くもないし愚かなんだよなあ。

私にダニーと同じ仮装をさせたのは、私に皆の前で恥をかかせてマクシムに嫌わせてマンダレイから追い出そうとしたのかなと初見の時は思っていたけど、私がダニーの指示であのドレスを作ったなんてこと私がマクシムに話せばすぐにバレるんだから、自爆にしかなってないよなあ。

それでも私を騙してあのドレスを着せたのは、純粋に「死んだレベッカが「私」に憑依し、身体を乗っ取ってマンダレイに帰ってくる」という奇跡を願っていたように思える。

去年の仮面舞踏会を再現することで、一瞬でもいいから、レベッカが帰ってきてくれないかと。ダニー、めちゃくちゃ強気で傲慢に見えるのに内心ガラスみたいに繊細でずっと泣きながらただひたすらレベッカを待っていた…?嵌めようとしたというより、私をレベッカが帰ってくるための憑代に仕立てようとしたように見えた。

「帰ってきて」って、最初から最後までずっと言ってるし、ダニーの中ではひょっとして私を陥れてやろうとか追い出してやろうとかいう策謀は、私の存在が気に食わないからやってはいるけど本音ではどうでもよくて、本当は私なんて眼中になくて、ただひたすらレベッカの方だけを向いて「帰ってきて」と呼び続けていた…?私を追い出したかったのも、後妻なんかがここにいたらレベッカが帰って来られないから…?後妻が消えればレベッカが帰ってくると夢見て私に自殺を強いた…?初見時は「愛するレベッカの存在を否定する存在である私の存在が許せない」のかと思っていたけど、なんかある意味もっと単純そうな何かを感じ…。

 

レベッカとダニー、噛んでも噛んでも味がしそう。スルメ。

 

石井ファベルはびっくりするほどスタイル良くて手足長くて魔の男って感じだったし、

吉田ベンは「吉田広大の無駄遣いでは!!??」と思ったけどバッチリ上手かったので満足。

彩乃ベアトリスは歌がうまくてびっくりした。あれ?彩乃さんてこんな歌うまかったっけ?豊原私とのデュエット良かったなあ。

 

やっぱり原作本読むべきかも!!買おう!!!(決意)

 

ミュージカル「アーネスト・シャクルトンに愛されて」感想

<2026/6/17(水) 14:00公演 1階K列10番台後半サイドブロック@東京芸術劇場シアターイースト>

 

はーい!今回はこちら!
「アーネスト・シャクルトンに愛されて」見てきました!!
「時のかなたの恋人」という小説が好きだったので、似たようなものかな?と期待
1幕100分ものだということなので、サクッと軽く楽しく見られるかな?と期待して行ってきましたが!

 

…うーん?
悪くはなかったけど、そこまで良くもないかな…という感想。

 

舞台に出てきたアーネスト・シャクルトンが思ってたキャラとなんか違って、自分の名前を連呼する若干鬱陶しいテンション高めの濃いめヒーローだったのは、なんか物珍しくて良かった。
現実に隣にいたら確かに惚れてしまいそうな生命力と精神力。強い。現代人が持たない圧倒的な心身の強さ。
お歌はもう全然歌えてないんですけど、それでもあまり気にならない愛嬌があるシャクルトン。
だってなんか…可愛いよ!!素直でバカで底抜けに楽観的で頼もしすぎる男に女神のように崇拝してこられたらそりゃあ女は絆される!!!あの男は可愛い!!!

 

お話は、史実のアーネスト・シャクルトンのことを全く知らなかったので、一体どうなるのかとずっと心臓を縮み上がらせながら見ておりました。
無事に南極を脱出して、生き延びられて良かった!!もう本当に良かったよおおおおおおおお。(安堵で泣きそうになった)

 

ただ、このお話の内容全部が、言ってみれば
アーネスト・シャクルトン(実在)の強火オタ夢女子が書いた夢小説だったんですよね。

すべてが白昼夢だったので潔かった。
わきまえているオタの夢想演目。

 

思い返すだに、脚本があまりにも主人公に都合が良い夢女子すぎてむず痒い…悪くないんですけど、あまりにもご都合主義すぎて…!!
いくらなんでもあの設定の平凡で特に才能もなさそうな主人公にあんなヒーローが現れるかいと思ってしまう…!!
キャットの音楽の才能や音楽の良さに対する説得力がなかったので(契約切られてるし)。
そこをアーネストが否定して、君の音楽は素晴らしい才能がある、と言ってくれるからより一層嬉しいのはわかるけど、才能を認めてくれたアーネストは別に音楽の専門家ではないし。
その後アーネストのために作った曲とか、アーネストと一緒に歌った曲とかを現実世界で発表したら大ヒットしてキャットの人生が変わった、というラストにしてくれたら個人的には良かったな。
(それならキャットには本当に音楽の才能があったことなるし、アーネストと出会った意味もより大きくなるので)今のラストだと、アーネストはキャットの自立というか、夫と決別する勇気と行動力をくれたけど、それだけにとどまっていて見えて、それはそれで意味がないことはないんだけど、ちょっと変化のスケール小さくて、100分使って描いた物語の結末としては物足りないなと。

 

ウェイトレスとかこのシャクルトンとか、序盤で子供を重荷に感じているシングルマザー主人公にはあまり共感できないので、そこも見ていてしんどかった要因。(不妊治療してまで子供を望んだ側の人間なので)

 

もし再演があれば、別のキャストさんで見てみたいな〜と思いました!
(キャストが変わればまた印象が変わりそうな舞台なので)

 

 

 

舞台「G7 Government side」感想

<2026/6/14(日) 18:00公演 2階席A列10番台前半 @三越劇場>

 

「G7」見てきました。

思てたんと違う…

思てたんと!!!違う!!!!!!!

 

本編の感想はネタバレ禁止なので何なら言っても大丈夫なのか迷う。

とりあえず、私はこのタイトルとポスターを見て、先進国首脳会議という難しい題材を正面から扱う真面目な社会派政治劇を見られるのかと、夫に頼んで家庭を調整して夜抜け出してソワレワクワクして珍しくソワレを見に行ったのですが、そこまで頑張って見るような内容では特になかった、というのが個人的な感想。

 

音楽の使い方は思った以上に良かった。

まさかアメイジング・グレイスを耳にするとは思わず…そして正しい、ものすごく正しい使い方、なんだけどおおおおおおおお!!!!!おい!!!!!!

鼻水出るくらい笑かしてもらったので見に来た甲斐はあったかと思いますが、胸にコンチクショウ感は残りました。

エレベーターが閉じる場面、

「製作者!!!謝れ!!!!トキに謝れ!!!!!」

と憤激しながらバカ笑い。

あの場面、北斗の拳へのオマージュだと私は思ったけど、実際のところどうなんだろう。

 

色々引っかかりはあったのですが、一番はなんだろう…意外と衣装とヘアメイクだったかもしれない。

欧州委員会の面々の衣装と髪型にどうにも違和感があり。他の登場人物も、胸元の大きなリボンとか気になって…テールコートを着ているのはわかるけど、リボンは何かの象徴なのだろうか。

 

役者さんたちの呼吸法、発声、滑舌、身体表現のどれも普段見てる舞台とレベル感が違って、私が普段見ている舞台は気持ちよくお金を払える程度にプロの仕事を見せていただいているのだなと思いました。

舞台の上の役者を見て脳が叫んだ第一声が

「呼吸法!!!!!!!」

だった。腹から声が出ていない…発声がちゃんとしていない衝撃。

自分の口から出す声はすべて意識的に全力で統制して空気に乗せて欲しい、とむず痒く感じた。発声法の訓練を徹底するという劇団四季は正しいんだなと思いました。

動きの一つ一つも「全身を筋肉で統制し、必要な動きを計算してそれを表現している」感が全くなく、演技をしようとしている感があるだけの一般人のようにしか見えず、題材とのミスマッチを感じました。

そんな存在感の軽い各国首相がおるか。
首相達も酷いけど欧州委員会の面々はさらに酷かった。存在も動きも言葉も軽く、場違い感がひどい。あんな存在の軽い人間が欧州委員会におるか。あんな若くて政治も何もわかっていなさそうな子たちがG7の会議を主催などするか。もっと落ち着きと演技力がある大人をキャスティングして欲しかったなあ。

まあ、創作の参考にするならこの劇を見るより本物のG7をニュースで追いかけた方が良い。それはそうでした、そうですね、という気づき。

オペラを見ると「歌うま!!」と思い、ストプレを見ると「演技、うまッ!!!」と思うことも過去多く、ミュージカルはダンスも加えて総合芸術で全部やらなきゃいけないからやっぱりその道の求道者達には及ばないところあるよね…と思っていたけど、全然レベル高いのかもしれない。

先日見た「BOOP!」ってやっぱり演者演出のクオリティは高かったんだな一流だよな、とG7を見て思いました。

 

あとはやっぱり脚本。脚本に対するガッカリがものすごい。
かなり無理がある。強烈な肩透かしと矮小化が酷い。
意外性を狙うのはわかるけど、真面目に正面からG7を取り扱う力量と覚悟はなかったんかい、と思ってしまった。

文化庁の子供舞台芸術鑑賞体験支援事業に採択されているんだから、子供にとって親しみやすいだけじゃなく、G7というものを見せてほしかった気持ちもある。

そして、G7に裏の意味を持たせてしまったがために、G7の会話の大部分が、言葉の解釈にかなり無理のある内容になってしまっていた。

本気で観客を騙して二重の意味を持たせにいくなら、キャラ達に話させる言葉は「G7」に見せかけるための言葉をもっと減らし、裏の意味の彼らがもっと使って自然な言葉を多くするべきだった。彼らの本来の姿がわかってから今までの彼らの会話を振り返った時、意味が通らない部分が多すぎる。G7の皮をかぶるための欲を張りすぎているし、彼らの問題を私たちの問題と重ねるのも無理がありすぎる。

思いついたネタを通そうとして四方八方に穴が空いている感じ。

 

それと、今回ファンからの差し入れ?のお酒やお花を、名前を出して舞台上で取り上げて紹介するタイプの演目を初めて見ました。

一番のノットフォーミー要素はここだったかもしれない。

すごくホストクラブみを感じたので。そしてそれは私が触れたくない、関わらずに生きていきたい世界と空気なので。こういうことをする舞台もあるんだなあ、と勉強にはなりました。

 

今回の観劇の一番の収穫は三越劇場での観劇体験でした。

三越劇場に来たのは初めてだったのですが、劇場内部の空間が他にない独特で重厚な雰囲気で、旧帝劇や日生劇場にもピンと来ていなかった私が「ここはなんかすごい」と直感。

竣工1914年の重要文化財と知って納得。

 

三越劇場、一階最後列からの視界こんなんで、2階席がめちゃくちゃ低いところにある。

こ、これは2階席最前列はいわゆる昔の貴賓席、特等席の劇場…!!

2階最前列で見たのですが、案の定視界良好でした。手すりもめちゃ低かった。

 

三越は夜景も綺麗でした。

 

三越劇場にはまた行きたいけど、もし今まで縁がなかった理由が、普段上演しているのがこういう演目だからなのだとしたら、今後も縁がないかもしれない。

三越劇場はまた観劇したいんだけど…!!東宝やホリプロがここの劇場でミュージカルやってくれたらすごく嬉しいのになあ。無理なのかなあ…。