Amazon primeの新規追加映画で見かけ、口コミ評価が良かったので軽い気持ちで見てみたら存外面白かった。
タイトルの主演女優2人が並んだ絵だけ見て大人の女の友情物かなーと思っいてたら、確かに大人の女の友情物ではあったんですけど想像したのとだいぶ違った。
途中から全く予想もしなかった方向に話が転がっていき、結末がどうなるのかわからなくて目も逸らせず、一気に見てしまいました。
今までこの映画のタイトルを聞いたこともCMも見たことなく、前情報が文字通り0の状態で見たのですが大正解でした。
私はタイミングが悪い時に見て落ち込んでしまったけれど、アン・ハサウェイは魅力的だし、マイ・インターンは視聴後スッキリできるハッピーな良い映画だと思います。
そして逆に境遇が悲惨一辺倒の話もやっぱり見ていてしんどくて、今は世の中の悲惨と貧困を直視して「この問題の解決の為に私も頑張らないといけないな!」と思える精神状態でもとてもなく、あんなに大好きだったレミゼラブルを見返すことがほぼ出来ないんですよね…。ファンティーヌのターンとかしんどすぎて。ミジンコ。
社会的強者が主人公のサクセスストーリーも、社会的弱者が主人公の社会派映画も見るのが辛く、視聴可能な幅がだいぶ狭くなってしまっていた私が、「シンプル・フェイバー」はストンと楽に見られて、それがとても嬉しかった。
以下ネタバレ。
この話、登場人物達の人柄を、最初は良いと見せかけておきつつ、やがて実は相当捻くれている、一概に良いとは言い切れない面をだんだん出して来たので、その展開に驚きつつ、結局どういう人なのか理解したくて最後まで目が離せない点が面白かったです。
普段サスペンスはほとんど見ないので新鮮な驚きでした。なるほど、サスペンスってこういう風に話を作るのかと勉強になりました。
そして「今は心が弱っているから軽くて幸せな話が見たい」と思って見たマイ・インターンでは仕事も家庭も人柄も完璧な登場人物達に劣等感で心を抉られたのに比べ、
シンプル・フェイバーでは、ツラの皮が極厚でしたたかで、性格のひん曲がった登場人物達のコミカルな演出や掛け合いに笑い、なんだか慰められました。(暴力シーンは苦手でしたが…)こういうこともあるんだなあ。
サスペンスとしては、謎解きが始まってからの主人公の行動力と話の進む方のテンポが良くぐいぐい引き込まれたのですが、正直明かされた謎自体は「今更そんな設定使う!!??」という内容で残念だったので、低評価レビューしている人達の気持ちもわかります。
でも私は三十路女達が友情を育む場面にはほっこりしたし、謎解きに奮闘する主人公と次から次へと移っていく展開にはワクワクしたし、クライマックスの緊迫感のあるやり取りにはハラハラさせられた。最初から最後までずっと良い感じに楽しかったです。後味が悪くないようにまとめてくれていたのも嬉しかった。
主人公2人のファッションや自宅のインテリアも、キャラをよく表していてかつオシャレで、見ていて楽しかった!
サスペンスもですが、コメディ映画、出来れば女性が主役で恋よりも友情がメインテーマの話をもっと見たいな、と思わせてくれた映画でした。ありがとう。
あとこの記事、タイトル詐欺です。すみません。
シンプル・フェイバーはコミカルというよりシニカルな女の友情(?)物語ですね。
コミカルを押した方が受け入れられやすいかな、と思ったので。コミカルでもありますよ!