黄金羊の観劇記

観劇・映画・読書の感想を好き勝手に書いてます。東宝・宝塚・劇団四季中心、海外ミュージカル(墺英米)贔屓、歴史好き。

宝塚月組「DEAATH TAKES A HOLIDAY」感想

   

<2023/6/27(火) 11時30分公演 C席3階3列20番台後半

 

作曲がモーリー・イェストンと知った時点で条件反射で申し込んだ公演です。私は再演月組のグランドホテルで宝塚にハマったのですが、あの演目の楽曲の美しさと脚本、演出に受けた衝撃をずっと抱えているので…。

外部公演だったおかげか、幸運にも抽選に当たり、トップコンビが月城かなと&海乃美月になった月組を初めて観劇できました。このトップコンビの舞台を見てみたかったので、出番も歌も一番多い主役&ヒロインを演じる2人を見られ、感無量です。

 

ストーリーも設定もほぼ予習せずに見に行ったのですが、なるほどタイトルそのまんまの内容なのですね!

死神が主役だけど最初はノリが軽く、笑いを取ろうとする場面も多く、ハッピーコメディエリザベートが始まるのかと思いました。いや、愛と死の輪舞(のような曲)もあったし。

一幕は眠くなる場面もあったけど、二幕はどんどん登場人物同士が繋がりだし、面白くて目が冴えてきました。これグランドホテル初見時も同じだったんですが、二幕後半の内容の衝撃の大きさと、頭に残る旋律の美しさはグランドホテルの方が上に感じました。

終演後の感想は「役者も演出も曲も良い、上質で良い舞台だった!うん、満足!グランドホテルが見たい!!」でした。グランドホテルが見たい。

 

うーん…脚本がいまいちピンとこない内容だったんですよねえ。もっと良くなりそう。

死神はまだしも、グラツィアの魅力が脚本上よくわからなかったんだけど、まあ月城かなとが演じてたらそりゃ愛してしまうし、海乃美月が相手でもそりゃ愛を知ってしまうよな…とキャストによる説得力はありました。でもやっぱり死神という超特別な存在が、グラツィアという世界に数多いる普通の人間の一人にそこまで惚れて特別視する理由がよく分からなかったので、何か納得できる設定が欲しかったなあ。

 

以下、キャストの感想。

月城かなとさん、いつも好きだけど今回も好きですね…オモシレー男な上にカッコいいし、歌もうまくて完璧でした。

今回も3階席から見ておりまして、オーブの3階は1階前方より音のストレスが少なくて台詞や歌を聞き取りやすいし、舞台はオペラグラスで見ればいいから今までは総じて満足度高かったんですが、今日は「もうちょっと近くで見たいな…月城かなとさんを…」と思っちゃいましたね…。いやあの人オペグラ越しでもマジかっこい〜〜〜ですわ。かっこよすぎてもっと近くで眺めたい欲が生まれてしまう。

あと歌がまじうめ〜〜〜〜〜ですわ。デスホリ、死神にはかなりの難曲があったんですけど、全力で演技しつつ完璧に歌い上げていらして、声が掠れることも音がズレることもなく、感情も乗っていて感動しました。ブラボ〜〜〜!!!!

そして海ちゃんのグラツィア…!!動きが上品で繊細で綺麗で、歌上手くて可愛くて素敵でしたーーー!!おめでとおおおおお、ヒロインやってる海ちゃんをようやく見られて嬉しい嬉しい!!

デスホリ、総じて今の月組にハマっていたし、中でも月城かなとさんの死神がとにかくハマりまくっていて、よくこんなに魅力を引き出す役と演目を見つけてきたな、宝塚すごいなと思いました。

全員歌も演技も良くて、何よりカンパニーとしてのまとまりがあって、ああやっぱり宝塚はいいなと再確認。演技がお遊戯会で歌もガッカリだった時代もあったけど、今はもっともっと宝塚の舞台を見たい、きっと良い舞台だからと期待できるようになりました。嬉しいなあ。

 

台詞や演出にメタファーが散りばめられていて、考察しがいがありそう。他の演目でもそうなんですが、宝塚は円盤で復習すると演者さんの演技がよく見え、台詞も聞き取れて楽しさが深まるので、デスホリもBlu-rayを買っちゃうかもしれません。

久々の宝塚、上質な舞台で楽しませていただきました。ありがとうございました!!

 

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