黄金羊の観劇記

観劇・映画・読書の感想を好き勝手に書いてます。東宝・宝塚・劇団四季中心、海外ミュージカル(墺英米)贔屓、歴史好き。

ミュージカル「FACTORY GIRLS」感想

<2023/6/13(火) 13時30分公演 C席3階5列30番台前半

 

引っ越し直後のバタバタを縫って東京千秋楽を見に行ってきました、ファクトリー・ガールズ。初演も見ていなかったので初見です。

う〜〜〜〜〜〜〜ん、これは最近見た中でも、感想を述べるのが難しい演目でした…なんか…「ずっとレミゼのファンティーヌのターン」なミュージカルで…!!

 

1840年アメリカという舞台設定、興味ある。

女性たちの労働運動、興味ある。

…のだけど、物語に息抜きのしどころがなくて…笑える場面もちょいちょいあるんだけど、基本的にずっと重くてしんどくて、観劇中も観劇後もあまり楽しい気持ちにはなれず、残念ながらそれほど刺さりませんでした…。

シリアス続きでも、登場人物への感情移入や手に汗握る緊迫感や楽しみ、素晴らしい楽曲で楽しめる演目はたくさんある。レミゼとかスリルミーとか。

ミュージカルだけど芝居(歌ではなく台詞)が多く、さらにそこで無音になる場面が多かったのが、テンポが悪く感じた原因かな…?「この場面早く終わらないかな、次の曲が聴きたいな」と思うことが何度かあったので。

 

清水くるみさんのルーシーは、性格もだけど声が特に魅力的。似たような服装と髪型で舞台上の人物の判別が難しい中、喋れば声で区別がつくのは存在として強かった。

平野綾さんのマーシャは、話が進むにつれどんどん好きになった。シャドーボクシング最高。

…くらいかなあ、頭に残ったのは。

アビゲイル途中で死んだのはショックが大きく、その後しばらくは辛くて舞台を見ていられませんでした…。

 

「機械のように」の曲や振り付けはカッコよかったし、もっと良くなった舞台だと思うんですが、うーん。

演出家の板垣恭一さんはミュージカル「フランケンシュタイン」の演出をされた方なので、ファクトリーガールズも楽しみにしてたんですが…いや、テーマは良いと思うんだよなあ、社会派。女性の分断の観察や表現も細やかだった。うーんうーん。私が見るタイミングが悪かったのかなあ。not for meな演目でしたかね…。私はもっと大衆向けの娯楽作品の方が見やすいんだと思います。残念。