黄金羊の観劇記

観劇・映画・読書の感想を好き勝手に書いてます。東宝・宝塚・劇団四季中心、海外ミュージカル(墺英米)贔屓、歴史好き。

ミュージカル「ジキル&ハイド」(柿澤ジキル)感想

<2023年3月23日13:00公演 B席3階9列20列番台 どセンター>

 

<キャスト>

ジキル:柿澤勇人

ルーシー:真彩希帆

エマ:桜井玲香

 

発表された時から絶対ハマり役だろうと楽しみにしていたかっきージキルのジキハイ、ようやく見てきました〜!!

昔一度鹿賀ジキルを見たことがあるのですが、ほぼ記憶に残っておらず初見のように次に何が起こるかわからない状態で観劇出来ました!良かった!!

 

ジキハイ、照明がちょーイイですねえ〜!!街並みのレンガからして好き好きだったけど、対決の場面の照明好きすぎて萌えが弾けちゃった…照明に萌えるという初めての体験。

 

柿澤ジキルはね、ええ…やはり約束された勝利でした。

本人も楽しそうにやってる、上手く演じられるハマり役だって自覚と自信があるのが伝わってきました。カッキーが歩いた板の上が輝いて花が咲き出しそう(仏)。

久しぶりに板の上を歩いて演技してる推し(かっきー)、オペグラ越しに眺めているだけで多幸感がすごかった。
楽しい…楽しい…見るのが楽しい。なんだこれは。これが推し効果…?

 

「僕にもっと社交性があればな〜」
というジキルの台詞、いやほんまそれやで!!!(to中の人)と思った。ジキルのキャラクターとかっきーのシンクロ率よ。

ジキハイってこんなに主演の負荷重そうな演目だったんですね…ほぼ出ずっぱりでジキルの「時はきた」からハイドの「生きている」というビッグナンバー連続で歌いながら演技し続けるって、見ていて心配になる過酷さ。(これをハリー・ポッターと交互出演でやってるって石丸さん大丈夫なの?)

名曲「時はきた」の場面は、さんざんネタにされていたせいで、シリアスなのに笑ってしまった…壮大な歌詞と歌だけど、現実はヘロヘロ完徹ハイで人体実験の薬をキメる場面なんだと思ったら。ほんとこの曲、何も知らずに聴いたらはルドルフの「明日への階段」とかレミゼの「ワンデイモア」と差し替えても違和感ない歌詞と曲調のスケールなのに、実際は民衆もおらず、真夜中の実験室で背後で巨大換気扇(違)が回ってる中ボッチで歌ってることが冷静にシュールに見えてきてもうダメだった。

そして2幕の対決、すごかった。ジキルとハイドを瞬時に切り替えていく演じ分け、しかも難曲を歌いながら。照明の効果も絶大で、今まで見てきたミュージカルの場面の中でも白眉。素晴らしかったけど、消耗激しそう…オペグラで見てたら白いシャツの袖が透けて肌が見えてた…てことは汗でびっしょびしょだったんだなと。毎公演あれやってるの…?大変だ。
でも役者としてああいう場面全力でやるの楽しいだろうなあ。きっと楽しいよね。がんばれかっきー。

 

そして真彩ルーシーがまためちゃくちゃ良かったです…「あんな人が」涙を誘う…うま…歌も演技もうまうま〜〜〜。娼館での見せ場の身体の使い方がしなやかで綺麗、細身なのに声量はしっかりあってすごいパワーを感じるのに、演技は繊細で丁寧…ジキルに対する接し方とか、たおやかで儚くて可愛くてこんなルーシーみんな好きになる〜〜〜!!!

 

ジキルの実験室にエマと行って、ジキルが自分に会ってくれないことを嘆くエマ(婚約者)に「僕にも会ってくれないのに!」と言っちゃうアターソンくんには、友情の重さを感じました。いいキャラしてる。

 

お話としては、今回ラストの台詞が沁みました…。

エマの「苦しかったでしょ、ヘンリー。ゆっくり休んでね」がすごく沁みた。かっきージキルだったからかな。

ジキハイ、もっと苦しくて悲惨でアンハッピーな演目という印象だったけど、今回、ハッピーではもちろんないけど、まだ救いのあるビターエンドな風味がした。
対決での柿澤ジキルがあまりにもしんどそうで、最後のエマの台詞が自分の中にストンと落ちたからかも。

1幕最初のジキルの「おやすみ、父さん」と2幕ラストのエマの「ヘンリー、ゆっくり休んでね」は呼応しているのかな?

 

このラストシーンの、エマの膝に抱かれてるジキルの画とエマの最後の台詞で、私また別の物語が「見え」てしまいました。(以下妄想)

最後、ジキル生きてない?あれ足をもつれさせて転んで倒れ、疲れ果ててそのまま寝ただけじゃない?(アターソンの銃撃はそれました)

つまり「時はきた」でジキルがキメた薬は今で言うドリンク剤で、殺人事件は全部強烈なカフェインで眠れなくなったジキルが朦朧とした頭で見た幻覚だった…!!(HAPPY END)

苦しかったでしょヘンリー…6週間も眠れなくて…そんなお話。みんな幸せになれー!!!

 

ジキハイ、普段なら1回見たらいいかなと思う内容の演目なんですけど、床にのたうち回るかっきーが絶品なので3回くらい普通に見たいですね…。
今季はこの観劇が最初で最後だけど、次回また楽しみだな〜!!

柿澤ジキル、めちゃくちゃハマってて、再演での出演も確約されてて来期もまた見られると思うと踊り出しそうに嬉しいね〜!!!引き換えにフランケンは卒業だろうなあ寂しい寂しい、ビクターもまた観たい観たいよ!!!ジキルもいいけど柿ビクターが好きなゾンビ!!!

フランケンといえば、フランケンを見た後にジキハイを見ると色々思うところありましたね!フランケン製作陣、ジャックをビクターと一人二役にしたのはジキハイに憧れすぎたからです!!?役者にジキルとハイドの演じ分けをやって欲しすぎて一人二役にしただけでは!?てかビクターとジキルのキャラほぼ一緒やしそもそも!!とかね!!!

 

ジキハイ、実は3/27の石丸ジキル・笹本ルーシー・Amiエマ回のチケットも取っていたのですが、チケットももぎって貰って劇場入りしたところで義母危篤の連絡が入り、そのまま退出して帰省したため、見られませんでした。

石丸ジキルは今季が最後だし、ハリー役がすごく良かったので、見ておきたかったなあ…。今まで見ておかなくて残念です。今後さらにどんどん育児と家庭でプライベートが忙しくなり、観劇機会は減る一方な気がする…見られる機会に全力で見ておこう、とあらためて胸に刻んだ出来事でした。

(義母はそのまま快復せず、3/31に亡くなってしまいました。最後に会えたのは、この日の夜に病院に行った時でした。チケットは無駄にしてしまいましたが、観劇せずにすぐ帰省して良かったです。義母とも一度も一緒に観劇をすることが出来ず、残念です。ハリーポッターとか見せてあげたかったな…。)

 

↓オリジナルブロードウェイキャスト版

 

石丸幹二さんのミュージカルアルバム。買いたくなってきた…。