黄金羊の観劇記

観劇・映画・読書の感想を好き勝手に書いてます。東宝・宝塚・劇団四季中心、海外ミュージカル(墺英米)贔屓、歴史好き。

宝塚花組「アウグストゥス」感想

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2021/6/22(火) 18時30分公演 B席2階15列60番台サブセンターブロック>

 

うーーーん……

ところどころ良いかな?と思う場面はあったんだけど、舞台全体の印象は…虚無ではないのですが、限りなく凪…見ているのが苦痛という舞台ではないけれど、心の中が凪で始まり凪で終わった…。

「この時代や人物のことをもっと知りたいな、本でも読もうかな」という気持ち以外は自分の中に特に何も生まれなかった…すぐに見たことを忘れそうな演目…。

正直舞台を見ながらこれまで見てきた宝塚の楽しかった演目の記憶が脳内再生され始めて意識がそっちを見ているくらいには、目で見ている舞台は別に面白くなかった。脳がアナスタシアやひかりふる路やBADDYを再生し始めた…。 

 

以前見たグスタフ・アドルフの舞台ほどじゃないけど、面白くなさとしてはあれと同じ系統でした。主人公のキャラが優等生すぎて魅力と個性がないんだよなあ。

正統派・王道な舞台を作ろうとしている雰囲気は感じるものの、何故か全然盛り上がらない。

ヒロインも何故ポンペイアにしたんだろう…主人公との絡ませ方に不自然さを感じて、、、うーーん。

アントニウスが主人公で、ヒロインはクレオパトラにした方が作劇的に良かったのでは……?
アントニウスクレオパトラのソロが一番頭に残った。クレオパトラは「アイーダ」のアムネリスとアイーダを足して2で割ったようなキャラだったな。

アントニウスは馬鹿なんだけどだんだんそこが可愛く見えてきて、最後は可哀想になってきて応援してあげたくなっちゃうキャラだった。
アグリッパのソロは一人だけなんか曲調?世界観?が違ってびっくりした。アウグストゥスとアグリッパの友情の見せ場がもうちょっと何か欲しかったなあ。

 

芝居がイマイチだったのでショーも見て帰ったけど、ショーもピンと来なくて舞台装置の電飾やミラーボールが綺麗だななどと思っていた。

元々宝塚のショーは基本的にピンと来ないからこれは予想通りなんですが。今まで単体のショーで楽しめたのはBADDYくらいなので。(物語がない舞台が苦手)

 

それでもラインダンスや最後の大階段で勢揃いして歌うジェンヌさんを見ていると、なんか良いもの見たな〜という気分で帰れるから、宝塚の豪華な舞台づくりはすごい。(結論)

 

アウグストゥスが主役のミュージカルということで、歴史好きとしてとりあえず1回観に行ってみたんですが、B席1回で正解だったし、なんならBB席で良かったです。

ロベスピエールが主役の「ひかりふる路」の出来が素晴らしかったのでちょっと期待したんですが、やっぱり宝塚のオリジナルミュージカルで当たりに出会うのは難しいなあ。と言いつつ、次にチケットを取っている月組の「桜嵐記」は宝塚大劇場の評判が良いので楽しみです。