黄金羊の観劇記

観劇・映画・読書の感想を好き勝手に書いてます。東宝・宝塚・劇団四季中心、海外ミュージカル(墺英米)贔屓、歴史好き。

宝塚宙組「アナスタシア」3回目感想

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<2021年2月18日15:30公演 B席2階12列センター>

 

宝塚宙組版アナスタシア、とうとう最後の3回目!

終演後には小林一三先生ありがとう…宝塚歌劇団を創設してくれて…(合掌)」という気持ちになってました。

 

この回のアナスタシア、最高でした!!!!!2月2日に観た初回ともはや別物。2週間でこんな変わるなんて!!!Blu-ray絶対欲しいしなんならCDも欲しいです!!!

初日からこのクオリティの舞台を見たかったと思いつつ、自分が三度目だからこそ受け取れる情報もあるんだろうな〜!!
どの場面も見てて楽しくて、退屈な捨て場面がほぼないのが素晴らしいですアナスタシア!!ずっと楽しい!!!

 

3回目にして確信したんですが、私にとっての宙組アナスタシアMVPはヴラドの桜木みなとさんです…お名前覚えました…今回は半分くらいオペラグラスでロックオンしてたけど細かい表情や動きでコミカルなキャラを丁寧に作り出していて素晴らしいです、もう、動きが。好き!!!子犬のように飛び跳ねるヴラド超好き!!!!列車の場面とフィナーレのショーで片足を上げて踊る姿がツボ!!!歌も踊りも演技もうまい〜〜!!!

桜木ヴラドをロックオンしてもう一回アナスタシアを見たい…映像ではカットされてしまう表情や動きがもったいない…3番手さんだからスターアングルも収録されないし、あああ、ああああああ。

 

あと和希そらさんのリリーがやたら歌が上手いし踊りも上手いし迫力ある演技が上手くて良いなと思っていたらこの方男役なんですか!!?納得!!!あのドスの利かせ方!!!ありがとう配役!!!

 

アナスタシアの弟、アレクセイ役の遥羽ららさんは声が印象的でした。本物の少年のような不思議な柔らかい声質で、今後もっと歌を聴くのが楽しみだな…!!小さな少年役なので常に膝で立ったり座ったり抱き抱えられたりで、高さを出さないように配慮されていたので動くのも大変だったと思うのに、可愛らしく演じきっていた。

 

あとパパ、ニコライ一世!!!一家が銃殺される前にずっと家族を後ろに庇って自分が銃の矢面に立つ動きをしていて、へ、陛下ーーーーー…泣いてします…。

 

まどスタシアは棒のぶん回し方が回を追うごとにキレが良くなってて、今日はもう本当に「強い女」って感じの棒使いで笑っちゃった。物理的に強い皇女様、良い。

ただ、まどスタシアは回を重ねるうちに滑舌が気になってしまいました。何を言ってるのか聞き取れないことが一番多かった。量も多いし速く喋る台詞が多くて大変そうだけど、頑張れまどかちゃん…!!

ちなみに史実のアナスタシアは1901年生まれ。ということは冒頭の1906年の場面ではアナスタシアは5歳、1928年?の本編では27歳くらいの設定なんですね。プリンセスの中ではアラサーって珍しい気がする。ディズニーのプリンセスは10代が多いイメージなので。

私、アナスタシアがロシアを発つ前に言う「残りのお給金を貰ってくるわ!1リーブルも無駄にできないでしょ」という台詞が大好きなんですが、このミュージカルのアナスタシアがディズニーのプリンセス達と比べてしっかりしていて賢いキャラなのは、苦労してきた過去と重ねた年齢を思うと自然で良い。

 

そしてディミトリ。宙組版アナスタシア、今回はちゃんと「ディミトリが主役の物語」としてストンと胸に落ちました。
ホーム、ラブ、ファミリーを探し求めていたのは2人とも同じだったしね…その部分の歌詞なら確かにディミトリも歌えるよね…そうだね…。

ディミトリがパレードの日からアナスタシアのことをずっとほんのり好きだった、ということを踏まえて冒頭から見るとまた違った面白さがあってくすぐったい。

今回は真風ディミトリ絶好調で、マイペテルブルクも今日はなんの不満もなかったし楽しかった!!音楽に言葉が、言葉に心が乗っていて動きと演技は軽やかで、トップスターの風格を感じました。スタンディングオベーション!!!

 

今回のラストは、アーニャとディミトリが本の中に閉じ込められたようには見えませんでした!!!ロマノフ家の幽霊達は最後に皆で幸せに踊って成仏した!!!完全なハッピーエンド、ハッピーな恋物語!!!ありがとうアナスタシア楽しかったー!!!!

 

アナスタシア、3回見たけどあと3回見たいです!!!!もうチケットがありません!!!!残念!!!!!!!

3枚でもよく取れた方だと思う。緊急事態宣言前にチケットが取りやすい奇跡的な時期が短期間あって、その期間に必死に確保しました。

一度も見たことがない演目のチケットを3枚も取るなんて私にとっては結構な賭けだったんですが、まあ全部B席だったからチケット料金は3枚で10,500円、帝劇やオーブの演目S席1回分もしないから失敗しても良いかな、とか思っていたのですが3回見て大正解でした。頑張ってチケ取りした過去の私、えらい。

こんなにお財布に優しくてこんなに満足度が高い娯楽なかなかないですよ…すばらしい宝塚。ありがとう宝塚。

 

ロシアを発つ前に皆が今から捨てようとしている故国を思って歌う歌が胸に沁みたなあ。あの一曲があるとないとで主人公を含めた亡命者達の身勝手さが全然違って見えると思う。

など、アンサンブルやその他の場面の歌についても語りたいことが色々あるのですが、それはまたBlu-rayを見てからにしようかと思います。早くBlu-ray買おう!!!!