黄金羊の観劇記

観劇・映画・読書の感想を好き勝手に書いてます。東宝・宝塚・劇団四季中心、海外ミュージカル(墺英米)贔屓、歴史好き。

「ロケットマン」感想

滑り込みで「ロケットマン」見てきました!!

イギリス出身の天才シンガーソングライター、エルトン・ジョンの半生を描いた伝記映画です。

エルトン・ジョンといえば、「ビリー・エリオット」や「アイーダ」、「ライオンキング」 の作曲でミュージカルファンの間でもお馴染みです。

特に私は「ビリー・エリオット」の「Once we were kings」という曲が大好きで。初めて聞いた時の衝撃は凄かったし、エルトン・ジョンは天才だと思った。今でも聴くたびに涙ぐんでしまう神曲の一つ。

なので、この映画は是非見ておこうと思っていたのです。

 

で、感想なのですが。

 

あんなにも物質的に恵まれているのに、あんなにも幸せになれない人もいるんだな…と、ずっと見ていて辛かったです…。

不幸というのではないと思う、ただ幸せになれない…。

親友がいてくれたのが救いでした…。

今は幸せに暮らしているようで、後日談は嬉しかった。でも作中時間内にもっと幸せになれたと思うのにな…。

 

残念ながら、思ったよりも内容が無かったです。

エルトン・ジョンの主観では彼の人生はこんな風だったとのことです!

以上!!

みたいな。

音楽がエルトン・ジョンのものばかりだったのも、今回は悪く作用したかもしれません…。

曲自体は良いのですがミュージカル用に作られたものではないので、話を展開していく力が弱くて。

曲数はとても多かったのですが音楽中は物語が進まず、半分ほどは豪華なミュージッククリップのような映画でした。

制作側が描きたいと思っていた物語はほぼ「モーツァルト!」だと思うので、

脚本にミヒャエル・クンツェ氏を呼んでくればよかったのに!

「影を逃れて」と「なぜ愛せないの」が作中にあれば、深みと感動がずっと増したと思うのに!!残念!!(ミュオタの感想)

 

あとはエルトン・ジョンの作曲の仕方がまさに天才のそれで、その点でもモーツァルトが浮かびましたね…

渡された歌詞を見ながらその場で即興でガンガン曲付けて行って、それが既に完成された名曲で、そんな調子で何百も無限に曲を作っていって。

 

親や伴侶の愛を得られないことで悩み苦しみはするけれど、作曲では悩んだり迷ったりスランプになってる描写がほぼないエルトン・ジョン。音楽に関しては、全世界のレコードの売上の5%を自分が占め、世界中にファンがいて、20代から現在までずっと億万長者でいる大成功者という、圧倒的”””強者”””っぷり。

精神的に幸福にはなかなかなれなかったけど、客観的に見て才能にも富にも名声にも親友にも恵まれまくっている中での嘆きなので、いや、ちょっとは足るを知りましょうよ…と思ってしまいました。

心がけ一つですぐに幸せになれた気がしなくもない、作中のエルトン・ジョン。まあそれでは話が成立しないんですが。

 

主演のタロン君は演技も歌もとても良かったと思います!!ほぼ一人出ずっぱり歌いっぱなしで大変そうだったけど、頑張っているのが画面からひしひし伝わってきた。お疲れ様です!!!

 

 

Billy Elliot

Billy Elliot

 

 

ビリーエリオットはいいぞ。