ジーザス・クライスト＝スーパースターinコンサート　感想

2019年10月14日（月）千秋楽　東急シアターオーブ

ジーザス・クライスト　…　デクラン・ベネット
イスカリオテのユダ　…　ラミン・カリムルー
マグダラのマリア　…　ジョアンナ・アンピル
ヘロデ王　…　成河
カヤパ　…　鈴木壮麻
ペテロ　…　テリー・リアン
ピラト　…　ロベール・マリアン
シモン　…　海宝直人
アンナス　…　アーロン・ウォルポール

海外と日本のキャスト混在の英語上演字幕付きという珍しい舞台！！
海外キャストはもちろん、日本人キャストも全員歌唱力も演技力も信頼できる方々！！特に成河さんのヘロデ王なんて絶対良いに決まってるじゃないですか、ありがとうキャスティングしてくれた人！！
と、行く前から期待大だった舞台。

実際行ってみると、まず全体としては
ジーザス・クライスト=スーパースターinウエストサイド …って感じ…？？でした。

現代的でスタイリッシュ、舞台の上下を上手く活かした演出は好みだったのですが、
衣装と、何より字幕の問題かなあ…サイコーとかイケてるとかそういう言葉があって、2千年前のエルサレムというより、20世紀後半ニューヨークはウェストエンドのヤンキー達の物語のように見えまして…東宝版ロミジュリ世界をちょっとだけ彷彿とさせられました…。

今まで見たことあるJCSは四季版ジャポネスク＆エルサレム、73年映画版、ミレニアム版の４種類だったのですが、そのどれとも違う、半分以上別の物語を見ているような印象で、観劇中何度も「こんな話だったの！！？？！」と新鮮に驚きました。

キャストの歌や演技よりも字幕に見せられる物語の印象と強さが大きく、更に字幕を追うのに舞台から目を外すことも多かったこと、字幕の理解と処理に脳の容量を取られてしまい舞台を全力で注視できなかったのが残念。おそらく舞台上で見逃してしまったことも多く、複数回のチケットをとればよかった…！と後悔。まあ激戦で取れなかったんですけれども。（千秋楽もたまたま譲ってもらえたチケットで見に行った）

今回は2階最前列の端っこで見たんですが、思ったよりも手摺が低くて、舞台は良く見えるし音も良く聴こえて良かったです。オーブの音響って一階席の前に行く程悪くなるのかな…？ただ、カーテンコールの時に立ちあがって拍手していると、柵が低すぎて一回に転落しやしないかと少し怖かったです。でも視界は良かったから、オーブの演目で全体を見たい時には２階前方席も良いかも。

キャストに関しては、
きゃーラミンー！！きゃー壮麻さんー！！きゃー海宝くん最高きゃー！！！
とか思ってたらいつの間にか舞台上方に成河さんがいてめちゃくちゃビビり、その後ずっと成河さんが気になり過ぎて舞台中央に集中できませんでした。ずるいよ！！笑

ラミンは歌が上手かったです～～～（みんな知ってる）
ユダの音域はもともと彼には合ってないんだろうなと思うこともしばしばあったけど、そんなの関係ねえーーーー！！！！と力でねじ伏せて音を出してくる姿勢、まさにプロ。ひれ伏す。

あと壮麻さんも出てきた瞬間鳥肌立ちましたね。すごかったあ。音域合ってない役のはずなのに、上手い。歌も演技も。演技が上手い。立ち姿、身長はそんなに高くないのに半径５ｍくらいに及ぶ存在感、壮麻ゾーン？壮麻さんの周りに発生している重力場何あれ。

海宝くんシモンはまあ期待通り上手すぎ良すぎて拍手鳴り止まずショーストップになりました。わかる。めちゃくちゃ良かった。

ピラトのロベールさんもアンナスのアーロンさんも好き、歌がうまくて声も合ってた〜〜！！

成河さんは期待通りよかったです。にゅるんとした動きで柵を潜り抜けた時にはその気持ち悪さにどうしようかと思った（褒めてます）。相変わらず目の動きがギョロンとしていて怖いし気持ち悪いし最高(褒めてます)。成河さんやっぱり最高〜〜！！！

とか思ってたら自殺とスーパースターのラミン…ラミンが…
どちらの場面も、ユダの演技にどっしりとした重さと深みがあってすごかった…自殺の場面、（全体を見たいから）基本的に使うつもりはないまま手に持っていたオペラグラスを何度も構えさせられた、表情が気になって吸い寄せられた…
スーパースターは…明るくてノリノリな場面だけど、拳を握りしめて泣きそうなテンションで見てましたね…
他バージョンのJCSでもですが、スーパースターの場面ではいつもユダが可哀想で悲し過ぎて心が死んで無になる…今回ここで使われていた虹色の照明、好きでした…表面の明るさと内実の地獄の落差と酷さに心を抉られて無になる…その虚無を噛み締め味わい楽しみに行くのが私にとってのJCSかもしれない…

照明は派手で激しくてコンサート！！って感じで、一階席は出だしからオールスタンディングでノリノリだし、キャストもゲストも熱くて濃くて質が良い公演でした。期待通りの大満足。
コンサートで生オケでJCSを全編聴いたのはもしかしたら初めてかもしれなくて、一曲ごとに感動していた…やっぱり生で触れる舞台、音楽はいいな…演技も歌詞も良いそして曲、曲が良いんだロイド＝ウェバー…ロイド＝ウェバー男爵アンドリュー・ロイド＝ウェバー！！天才！！！