黄金羊の観劇記

観劇・映画・読書の感想を好き勝手に書いてます。東宝・宝塚・劇団四季中心、海外ミュージカル(墺英米)贔屓、歴史好き。

映画「2分の1の魔法」感想

ピクサー最新作「2分の1の魔法」、吹替板で見てきました!!

 

アクションたくさんで映像綺麗で、これは映画館で見たほうが楽しい作品!!
ドラクエ好きの夫もハリポタ好きの私も満足、面白かったー!!見て良かった!!
伏線の貼り方も盛り上げ方も安定のうまさで、最後は安定の号泣。

 

兄弟のキャラクター、特に兄が序盤相当鬱陶しいので、あまり感情移入は出来なかったなあ。
アナ雪やラプンツェルのように歌とキャラに一瞬で引き込まれる作品ではなくて、面白くなるまで時間がかかった。

最初ちょっと退屈かな、と思ってしまったんだけど映像は綺麗なのでとりあえず集中力は切れなくて、中盤以降は面白くなってぐんぐん見られた。
私には映画館で一回観るのがちょうど良い映画でした。久々に大画面で綺麗な絵と音響を楽しめた!映画を映画館で見るのも何ヶ月かぶりだったので、美しいオープニング映像を大画面で見て、感動で鳥肌が立った。やっぱり映画館で映画を見るのは楽しい!!
逆に自宅で何度もリピート鑑賞はしなくて良いかなと思うお話。歌がないのはもちろんだけど、キャラクターに魅力を感じないので・・・うーん。

 

山も谷も低いと言うか、予想外もあるし脚本も伏線をきちんと回収していて爽快だし、感動もあったけど、総合的にパンチが弱かったかな。
でも日曜に夫と二人でちょっとしたデートに見るのには最適の映画でした。

思ったよりずっとガッチリしっかりファンタジーで、王道RPGやファンタジーの知識が豊富な人ほどパロディ要素を楽しめると思います。

 

以下ネタバレ

 

 

最初ウザキャラだったお兄ちゃんが見終わってみると実はすごく良い子、本当に良い子でビックリしました。

だってずっとボードゲームが大好きで、本に載ってる呪文を丸ごと暗記するほど魔法を愛しているのは自分だったのに、そして杖は「兄弟に」と父から贈られたものだったのに、自分は全く魔法を使えず、魔法に興味もなく否定していた弟にだけ才能があったんですよ!!?残酷すぎませんか!!??

状況的にブチ切れて家出しても、弟をぶん殴ってもおかしくないのに、ずっと弟に協力してただひたすら褒めて励まして、道中知恵袋の役割に徹して・・・実際に魔法の力を使っていたのは弟で、兄ちゃん非力やんと思いがちだけどそんなことは全然なかった・・・何も言わずに愛車を犠牲にした場面でまず泣いたし、終盤の回想・・・あんなん泣くやん・・・・お父さんが亡くなってから、自分も辛いだろうに甘えたいだろうに、父親がわりの役をしっかり担って、弟の相手をして育ててさあ・・・数歳しか変わらない子供がですよ!!?聖人かよ兄ちゃん!!!!!

最後、イアンがバーリーの尊さに気付いてくれて本当に良かったし、バーリーも今までの苦労が報われて良かったです。きっとお父さん褒めてくれたでしょうね。

 

あと、お母さんも最後まで大活躍でしたね。正直お母さんがあそこまで雄々しく活躍すると思ってなかったので驚いた。

弟が魔法使いだったので、お母さんが運んできた剣をお兄ちゃんが受け取って、最後は兄の剣と弟の魔法でラスボスを倒すのかな、と思いながら見ていたら完全に裏切られましたww アクション的な意味で兄の見せ場はなかったけど、強い女大好きなので本編は本編で好きです。

 

あとは世界観というか、ちょっとしたことなんですけど、序盤で見せた家庭の描き方も好きでした。

いや、息子が高校生だったら、まだ朝食はお母さんが用意している家庭も日本では多いのではないかなと思ったので・・・少なくとも私は高校生の時、母がお弁当を詰めてくれている横で、そのお弁当の残りのおかずをつまんで食べさせて貰ってました。

なので、朝からフィットネスして息子の世話は全く焼かない母と、それを当然のこととして自分の食事を自分で用意するイアンに軽く感動したし、アメリカ〜〜!!!って思いました。私が甘ったれ高校生だっただけかもしれません。恥。

 

そうそう、最後イアンがお父さんに会えなかったのは「え〜〜〜!!??」って思いました。会わせてあげても良かったんじゃないかと思うけど、本人は納得してるからいいのかな。

最後に出てきたのが兄と弟の写真だったのも「これは亡くなった父を探す旅ではなくて、実は最初から側にいた大切な兄弟との絆を再確認する物語だったんですよ」ということを示しているし。

タイトルの「2分の1の魔法」は、蘇ったお父さんが2分の1だけだったということだと最初は思っていましたが、本当は「兄と弟が使える魔法はそれぞれ2分の1」(2人を足すと1になる)(兄にあるのは知識だけ、弟にあるのは力だけ)という意味なのかなあと思いました。どうなんだろう。